
残念ながら、これからもメガソーラーは増え続けそうです。この問題の裏側には「環境破壊で得をする」という驚きのスキームがありました。空き家問題とも共通する、日本の美しい自然を蝕む根深い構造とは?(ノンフィクションライター 窪田順生)
中国資本は出ていけ?
怒る相手を間違える人が続出
日本全国で「メガソーラー反対」の動きが盛り上がっている。
岩手県大船渡市では、大規模太陽光発電事業者「自然電力」(福岡市)によるメガソーラーが、人件費の高騰を理由に中止に追い込まれた。
これを受けて、アルピニストの野口健氏が「一つが救われました」「感謝、感謝、感謝です」と発信、賛同する声も多くあがっている。
また、仙台市太白区秋保町でも、「合同会社CES」という企業による国内最大級のメガソーラー構想がもちあがっているが、地元住民らが5385名分の反対署名を仙台市に提出。村井嘉浩宮城県知事も定例記者会見で「大反対」を表明している。
その理由のひとつは事業者への不信感だ。実は「合同会社CES」は沖縄県のレンタルオフィスを本社としており、郡和子仙台市長も今月2日の記者会見で、こんな不満をぶちまけている。
「事業者に強く不信感が募っている。事業者の実態が見えない。企業の連絡先も公表されておらず接触が困難な状況になっている」
ただ、反対派の人々が今最も動向を注視しているのは、北海道・釧路湿原国立公園周辺に「日本エコロジー」(大阪市)が建設を進めているメガソーラーである。