必ず実施するべきなのは、ボールを投げる前に「これからどんなボールを投げるのか」の認識を合わせることです。
キャッチボールだと聞いていたので、てっきり野球のボールが飛んでくると思って待っていた時に、相手が突然バスケットボールをパスしてきたら、びっくりしますよね。
あるいは、「どんなボールでも受け止めるぞ」と思っていたとしても、ボウリングの球が飛んできてしまったら受け止めることはできません。
また、野球のボールであっても、ふんわりとした山なりのボールが来ると思っていたところに140kmのストレートが飛んできてしまっては対応しきれません(それが飛んでくるとわかっていても、対応できないと思いますが……)。
これから、自分がどんなボールを投げるのか。それを明確にしなければ、キャッチボールにならないわけです。
(1)期待する行動を伝える
どんなボールを投げ返してほしいか
どんなボールを投げるのか、それを仕事のシーンに置き換えると
・ どういう行動を期待するのか
・ いつまでにやってほしいのか
などになります。
期待する行動とは、「いくつかの情報を伝えるから、それを資料にまとめてほしい」とか、「調査項目を列挙するので、それを調べてレポートにしてほしい」とか、「知りたい内容を伝えるから、調査計画を立案・実行して、報告してほしい」とか、そういう“何をしてもらいたいか”のことです。
まず、これが相手に伝わっていなければ、相手は身構えることができません。
キャッチングの体勢をつくれないと、ボールをうまく受け取ることはできないでしょう。
また、当然ながら「どんなボールを投げ返してほしいのか」も最初に伝えておかなければいけません。
先ほどの例では「資料にまとめる」「レポートにする」「報告する」など、言い方はさまざまですが、どれも「アウトプットをつくって持ってくる」ことを期待しています。これが、相手がこちらに投げ返すべきボールの定義です。