
3週にわたりご紹介しているフォルクスワーゲンの「ID.Buzz」。試乗してきたフェルさんとAD高橋さんに「どうでした?」と感想を聞いたところ「信号で停まっていると手を振られる」「写真を撮られる」という返事で、実車を見ていない私(担当編集)は意味が分からず「???」となってしまいました。人に手を振られるクルマってどういうこと?気になる方は本文をどうぞ。(コラムニスト フェルディナント・ヤマグチ)
本連載の初代編集者・柳瀬さんと高松に行ってきました
みなさまごきげんよう。
フェルディナント・ヤマグチでございます。
今週も明るく楽しくヨタ話からまいりましょう。
元日経BP編集者であり(2009年にこの連載を立ち上げた初代担当編集者でもあります)、現在は東京工業大学改め東京科学大学(東京医科歯科大学を統合して名称変更)教授であらせられる柳瀬博一さんと、香川県は高松市に出かけてまいりました。

名著『国道16号線』の著者である柳瀬さん。高松を訪れたのは、次なるご著書へ向けてのフィールドワークのためです。“日本一成功した商店街”として名高い、高松丸亀町商店街の振興組合理事長である古川康造さんにインタビュー。サンポート高松トライアスロンで厚誼をいただいている灘波博司さん、岡村浩志さんにご紹介いただきました。ありがとうございました。

同じ高松の商店街でも、道が一本違うとガラリと雰囲気が変わるのも興味深いところです。近隣だからといって、商店街に「連れ上がり効果」などないことがよく分かります。

ということで本編へとまいりましょう。フォルクスワーゲンの歴史的名車Type2をEVの形で現代に蘇らせた「ID.Buzz」インポーターインタビュー後編であります。
ID.Buzzに乗っていると、写真を撮られる、手を振られる、子どもが寄ってくる
1950年に誕生したフォルクスワーゲンの歴史的名車、Type 2。通称「ワーゲンバス」をEVとして現代に蘇らせた「ID.Buzz」。日本では今年の6月に発売されたばかりだ。前回は、ワーゲンバスと異なり、ID.Buzzが丸目ではない理由や、個人ユーザーに人気なのになぜ商用車ブランドで製造・販売しているのか、といったあたりを紹介した。引き続き、フォルクスワーゲングループ ジャパンの沢村武史さんにお話を聞いていく。

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):しかしこのクルマは本当に人の目を惹きますね。乗っていると、とにかくよく写真を撮られます。スマホの普及で「日本中がカメラマン」という現状ですから、誇張ではなく本当に“信号で停まるたびに写真を撮られる”ような感覚です。誠に残念なことですが、このクルマで“お忍びデート”には行けないなと思いました(笑)。また、道行く知らない人によく手を振られる。これも非常に新鮮な感覚です。販売の現場ではどうでしょう?似たような反応はありますか。
フォルクスワーゲン グループ ジャパン ビジネスオペレーション本部 プロダクト・マネジメント課 シニアマネージャー 沢村武史さん(以下、沢):ありますね。イベントの会場や店頭で、まず「おっ!」という感じでお客様の足が止まります。小さなお子さん連れの家族と、お孫さんがいるシニアが目立ちますが、その間の層も幅広く来場されます。子どもが指をさして近づいてくる、お子さんに引かれて親御さんも寄ってくる。通りすがりに写真だけ撮っていく……こんな反応が繰り返し起きています。なかなかないと思うんですね、そういうクルマって。全然知らない人が乗っているクルマに対して手を振ってくれる。日常の風景の中で自然に“距離が縮まる”というのは、ID.Buzzならではだと感じています。
F:ということは売れまくっている。実際に何台くらい売れているのですか?