早期選考をおこなう“人事側の思惑”

ここまで早期選考は受けるべきか解説してきました。早期選考については、実施する企業の人事側の思惑(おもわく)を押さえておくことが大切です。

そもそも、なぜ企業は早期選考を行うのか?
大企業と同じく、大学3年生の3月から本格化させれば良いのではないか?

早期選考をおこなう目的は、大手が採用を本格化させる前に、人材を囲い込むことです。

特に近年は採用難の売り手市場。企業も自社に合う人材を囲い込もうと必死になります。

この「囲い込もうとしている」という人事の意図を把握しておくことが大切で、ワンデイインターンや会社説明会で「うちの会社に入社すべきだ」ということを言うのは当たり前です。そんな企業の良い面ばかり聞くと、「この会社は良さそうだな」と、調査せずに入社を決めてしまう人も少なくない。

僕も旅行先のホテルを選ぶとき、そのホテルの公式サイトを見ると、素晴らしい写真ばかりで、「ここだ!」と思います。ですが、口コミサイトやXで詳しく調べると「料理は思ったほどじゃないな」「部屋、意外と古そう…」と冷静になるんですよね。

実は企業選びもまったく同じで、ワンデイインターンや会社説明会の説明は「公式サイトの写真」みたいなもの。しっかりと口コミサイトや労働環境・労働条件について調べることが大切です。

これは早期選考に限らず言えることですが、特に早期選考では囲い込もうとする企業が多いので注意してくださいね。

早期選考でオワハラされたらどうすれば良い?

早期選考に参加し、早期内定を獲得できたとします。ここで問題となるのが「オワハラ」です。

そこまで深刻なものでなくても、「いつまでに入社の意思を示してください」と企業から圧をかけられる可能性は十分あります。なぜなら、何度もお伝えしているように、人事も人材確保に必死だからです。

本選考が本格化する前に「就活を終了してほしい」と企業から言われることもあるでしょう。

もしその企業について、口コミや社員の声、労働条件などをしっかり調べたうえで「この会社に行きたい」と納得できていれば、就活を終えても問題ありません。

しかし、そうでない場合は就活を継続することを強くおすすめします

たとえ内定をもらっていたとしても、辞退は可能です。納得のいく企業からの内定を得られるまでは続けるべきです。

また、オワハラが強い企業に対しては、「そんな企業には入りたくない」と感じる人も多いはずです。僕自身もその一人でした。だからこそ、早期内定が出ても、強引にオワハラしてくる企業の内定は辞退するようにしていました。

ぜひ、こうした視点を持ちながら早期選考に参加してください。何事もメリットとデメリットの両方を理解したうえで行動することが大切です。

(本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです