サーフィンをしたことがない人がサーファーになりたいとは思わない
そもそもやりたいことがないのは当然だと僕は思います。なぜなら、営業職も、技術職も、事務職も、研究職も、実際にそれらの仕事を経験する機会がないからです。
この例え話で、よくするのが「サーフィンをしたことがない人がサーファーになろうと思わない」という話です。
人は実際に経験してみて、「あれ? これ自分に向いてるかも?」と結果が出て初めて「やりたい」という感情が生まれます。
または実際にやらないまでも、見ることで「やりたい」に繋がることもあるでしょう。
ですが、就活を始める時点で、世の中のほとんどの職種を経験しないですし、ましてや見ることもありません。
人気の職種として、保育士や美容師、CA(キャビンアテンダント)などがありますが、それらがずっと人気なのは、日常生活の中でその仕事に触れたり、見るからでしょう。
こうした背景があることから、就活生は「やりたいことがない自分はだめだ」と悲観する必要はありません。
イメージして「向いてそう」を考え抜くしかない
では就活生はどのようにして、やりたいことを見つけていけば良いのでしょうか。
拙書「脇役さんの就活攻略書」では、次のステップで仕事を選ぶ方法を紹介しています。
・世の中にどんな職種があるのかざっくり把握する
・その中で自分に向いてそうな仕事を選んでみる
・その仕事に関する求人を新卒向け、中途向けそれぞれ読み込む
僕は仕事を選ぶ肝は、自分に向いている仕事を選ぶことだと考えています。
例えば、僕はこうして「文字を書くこと」に向いていましたが、一方で服屋のバイトをしていた時は、やることがない時間が苦痛すぎて1週間で辞めました。
つまり、文字を書くことを仕事にした場合は、他人よりも仕事ができる人になれますが、服屋で仕事した場合は、圧倒的に仕事ができない人になってしまいます。
このように世の中には「仕事ができない人」は存在せず、いるのは「その仕事“は”できない人」です。
だからこそ、まずは世の中にどんな職種があるのか知り、その中で「この仕事なら少し向いてるかも」とイメージできれば、その仕事について徹底的に調べてみる。
このとき、新卒向けの求人だけだとざっくりの説明が多いので、中途向けの求人にも目を通して、1日の仕事の流れや仕事内容を見ていきます。すると同じ職種でも企業によって、全然内容が異なることが分かります。そうして少しずつ仕事選びの精度を高めていくに尽きるのではないでしょうか。
もちろん、最終的には実際に働いてみないと分からないことがあまりにも多い。なので、転職などの選択肢は常に持っておくべきでしょう。
大事なことは、「やりたいことがないから適当に選ぶか」ではなく、「やりたいことがないけど、この仕事は少し向いてそうかも」に昇格させることだと思います。