パワハラ発言があれば
冷静な姿勢で復唱する

「○○ですか?」を繰り返すうちに、相手は何度もリズムを崩されて「なんかこの人と話すと疲れる」と感じて、話が収束に近づくはずです。

 また昨今ではパワハラなどのハラスメントが問題視されています。人格を否定するものなど、あきらかなパワハラ発言があったら「今、○○と言いましたか?」と返してみましょう。攻撃や反論を意図せず、冷静な姿勢で問いかけることがポイントです。

 相手は、勢いに任せに言った言葉が、急に現実みを帯びた形で跳ね返ってくるので、「うぐっ」と次の言葉に詰まるはずです。「言い過ぎだったかな」と心に罪悪感が芽生えるかもしれません。

「それで、今何が起きているんですか?」
で話を整理させる

 熱くなっている人には、冷静な態度で臨むのが鉄則です。相手がヒートアップしているときに「ちょっと待ってください。一体、何が起きているんですか?」と、冷静な一言を差し込んでみましょう。

 このフレーズは質問のように見えて、相手に冷静さを促す効果があります。感情的になっている人は、状況を客観的に捉えられていません。「何が起きている?」と聞くことで、こちらが困惑していることも伝えられるし、また「あなたを理解したい」という姿勢も暗に伝えることができます。

 相手は「今、自分は何を話しているのだろう?」と自らを省みるきっかけにもなり、いったん話がストップするはずです。結果として相手も冷静になり、感情論から具体的な問題解決へと、会話の方向性を転換させられればパーフェクトです。

客観的な目線と
相手への敬意を忘れないこと

 ただし、注意点が一つあります。「相手が熱くなっているのは、自分のせいかもしれない」という視点を忘れてはいけません。

 たとえばあなたがミスを連発するなどで、相手をイラつかせていたら、「何が起きているんですか?」ととぼければ、怒りの炎はさらに燃え上がります。感じのいい人は、客観的な目線を常に忘れないので、大きなトラブルになりません。

「高圧的な人」を黙らせるひと言は、決して相手を攻撃するものではありません。感じのいい人は、いつでも相手への敬意を忘れません。

 紹介したフレーズは、あなたの心を静かに守り、不毛な議論を避け、建設的な関係性を築くためのものです。高圧的な相手の言いなりにならず、あなたの尊厳を守り、よい社会生活を送っていきましょう。

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心ない言葉を何度も言ってくる人にどう対応すればいいのでしょうか。相手からの攻撃を止めて、穏やかな距離感を保つための「魔法の一言」を教えてもらいました。