子育てとは、子どもに同じことを何百万回も言う生活! 誰がやってもそうなるので、どうせ言うなら楽しく言おう
【総フォロワー数48万人】長年の教師生活で多くの親と接したなかから生まれた、熱い思いの詰まった言葉を365個掲載した書籍『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』が、あらゆる年代の親に刺さると話題。親力アドバイザーとして名高い教育評論家の親野智可等氏がいま子育て中の人に伝えたいことがあります。

親がつい言いがち! 子どものやる気をなくす言葉・ワースト2Photo: Adobe Stock

子育て中の親御さんは、つい「勉強しなきゃダメでしょ」「なんでちゃんと片づけないの」などと言ってしまうことが多いと思います。

もちろん、子どものためを思って言うのですが、実はこうした言い方は逆効果になるばかりです。

なぜかというと、心理学でいうところの「酸っぱいブドウ効果」が働くからです。
これはイソップ物語の中の次のような寓話がもとになっています。

ある日、キツネがおいしそうなぶどうを見つけました。
食べたくて、何度もジャンプしました。
でも、いくらやっても届きません。
最後に諦めるのですが、とのとき、「あのブドウはどうせ酢っぱいからいらない」とつぶやきました。

ひと言でいうと、キツネはブドウの価値を下げることで自分のプライドを守ったということです。

人間は同じようなことを至るところでおこなっています。

例えば、親が勉強のことで子どもをガミガミ叱っているとします。

すると、子どもは「勉強、勉強って、何言ってるの。そんなに勉強が大事? 勉強よりもっと大事なものがあるんじゃないの? 友だちとか健康とかは、もっと大事じゃないの」と思うようになります。

つまり、勉強の価値を下げることで自分のプライドを守ろうとするのです。

また、片づけのことでガミガミ叱っていると、子どもは「片づけ、片づけって、うるさいなあ。片づけなんかしなくても困らないよ。そんなのできなくても生きていけるよ」と思うようになります。

片づけの価値を下げることで、自分を守っているわけです。
こういったことはすべて無意識のうちに、しかし確実におこなわれます。

ですから、みなさんの言葉が逆効果になっていないか、振り返ってみてください。

◆本原稿は、『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』の著者・親野智可等が子どもに関わるすべての人に伝えたい書きおろしメッセージです。