実際に何かのトラブルが起きると、今までストレスだと思っていたものは本当のストレスではなかったかもしれないと感じることもあるでしょう。たとえば自分の子どもが病気になったとき、それ以外の心配事は吹っ飛んでしまうことがあります。
追い込まれることは必ずしも悪いことではありません。トラブル解消に集中しながら、同時に今まで気にしていたことに対して新しい視点を持てるようになるのは人間的な成長でもあるのです。
「切り替えスイッチ」は
いくつも用意しておく
ストレスが自分の中でどんどん拡大するのを防ぐために何が必要かというと、まず気持ちを切り替えることです。自分の気持ちを切り替えるスイッチを、いくつも用意しておきたいものです。
何か1つのことをずっとやっているとそのことばかり考えてしまうようになるので、意識を切り替えて、ほかのことをするようにするのです。たとえば私は仕事を3本立てでやることを意識していた時期があります。ある仕事で行き詰まった場合には、さっと次の仕事にスイッチする。その仕事でも行き詰まった場合には、また次の仕事にスイッチするという方法です。
1つのことだけに集中していると行き詰まってしまうことがありますが、3本くらいの柱を持っていると、行き詰まったときにほかのことをやって調子を整えることができます。内勤だけやっていて疲れた場合、ちょっと外回りに出かけるという感じでしょうか。
仕事ばかりではなく、プライベートでも3本柱を持つようにすると、いつも調子よく過ごせるようになると思います。
大谷翔平選手も、右肘を手術したときは盗塁のスキルを磨くことに力を入れていました。何かの調子が悪いときには何かほかのことに目を向けるいい機会でもあります。
うまくいかなくて気分が落ち込んでも、すべてに調子が悪いということは意外とないもので、何かしら調子よくできることがあるはずです。