「ストレスで潰れない人」がこっそりやっている、生きづらさ“をスッと軽くする「心の地下室」のつくり方写真はイメージです Photo:PIXTA

なぜ同じ環境で働いていても、心が折れる人と平然と乗り切る人がいるのか。その差を生むのは「ストレスから一歩引ける場所」を持っているかどうかだ。人に頼れる仕組み、体を整える習慣、そして心を安らげる居場所を持っているだろうか。齋藤孝氏が語る、現代人に不可欠な「逃げ場」の設計法とは。※本稿は、齋藤孝『折れない心は、言葉でつくる』(日本実業出版社)の一部を抜粋・編集したものです。

得意な仕事を交換することで
仕事のストレスを減らす

 人によっては、大きなストレスがあるのに人に助けを求めず、なんとか自分だけで解決しようとすることがあります。けれども、それはかなり危険なことでもあります。

 私が働いている部署では、何かトラブルがあると10人ほどのメンバー全員に「今このようなトラブルが起きました」という報告メールが届きます。するとその10人のうちの2、3人が、必ずそれに対してこれはこうしたほうがいいよと返信します。トラブルを全員で共有して、みんなで対処する体制が完全に出来上がっています。そのおかげでストレスも少なく、いい雰囲気で仕事ができています。

 ストレスというのは、基本的にひとりで抱えるからストレスなのであって、もっと仕事ができる人と一緒に考えてもらえればかなり楽になるはずです。

 そう考えると、チームで仕事をする、ストレスを分け合えるような空気、システムをつくることが大事だと思います。

 大事なことは親切な人を見つけるということです。

 同僚がみな頼りになるとは限りませんので、その中でも優しい人、親切で頼りになる人を見つけて、具体的に相談する勇気が鍵となります。「今、この書類提出に手間取ってしまって」というように具体的に相談すれば、「それならこれを使うとすごく早いよ」とアドバイスをしてくれたり、「それは自分がやってあげるから、代わりにこれを引き受けて」というような解決策を提示してくれたりすることがあります。