昭和の『釣りバカ日誌』に学ぶ
心の居場所の作り方とは
たとえば、昭和の人気漫画に『釣りバカ日誌』というものがあります。会社でうだつの上がらない万年ヒラ社員の主人公が、釣りにハマって立派な「釣りバカ」になり、たまたま知り合った自分の会社の社長と対等につき合うようになるという話です。
当時は、仕事よりも趣味を大事にしている人は今より少ない時代でした。けれども、どれほど会社で活躍できなくても、釣りに出かけたらすべてから解放されて生き生きと過ごす「自分の居場所」があるという主人公の姿に、憧れにも似た気持ちを抱いた人も多かったのではないでしょうか。

今の時代は、趣味に費やせる時間もあります。釣りでもゴルフでもなんでもかまいませんので、仕事や人間関係のストレスや緊張を溶かすことができるような何か、自分の心の居場所をつくっておくことが精神の健康につながります。
私の友人に、仕事のあと真っすぐ家に帰れないという人がいました。たとえば夜7時頃に会社が終わったとしても真っすぐ家に帰れない。ご飯を食べたりお酒を飲んだりカラオケをしないと帰れないという体になっていて、一時、私もつき合っていたことがあります。それは、彼なりの身の守り方なのだなと思いました。
ここに行けばストレスを発散できる、気分転換ができるという居場所をつくることで、自分なりの生活を保っていたのでしょう。