『テレビ千鳥』の「一周だけバイキング!!」はなぜ面白い?有吉弘行の“茶色い盛り付け”から見えた人間性番組ホームページより

「一周だけバイキング!!」というテレビ番組の人気企画をヒントに、食の秋にぴったりの「ブッフェ・食べ放題」を楽しむコツを解説しよう。(グルメジャーナリスト 東龍)

なぜ「テレビ千鳥」の人気企画
「一周だけバイキング!!」は面白いのか

 テレビ朝日系の人気番組、「テレビ千鳥」内の「一周だけバイキング!!」という企画をご存じだろうか?

 お笑いコンビ・千鳥と複数のゲストが、スタジオにセットされたブッフェバイキング(食べ放題)に、トレイ1枚だけ・1周だけチャレンジ。いかにセンス良く料理を取れるかを競う企画だ。料理は刺し身や寿司、揚げ物や串焼き、カレーやチャーハンに点心、クロワッサンにケーキやカヌレ、さらには実演で天ぷらやステーキまで和洋中80種類以上も用意されており、さながら高級ホテルのブッフェのようだ。

 この企画が面白いのは、挑戦者のセンスと隠れた人間性が明らかになることだろう。ブッフェ台から料理を取っていく行為を通じて、挑戦者の本音や欲望が丸裸になるのだ。

 例えば、人気MCの有吉弘行さんは、周り始めるやいなや目に付く料理を片っ端から取っていった。後先考えずに欲張った結果、味の系統が異なるハンバーグとうなぎを同じ皿に詰め込み、大皿が揚げ物や焼きそばなど茶色で埋め尽くされ、「ダサい」と他の出演者から散々な評価だった。

 世間ではしっかり者で知られるお笑いコンビ・博多華丸・大吉の大吉さんは、味噌汁椀の上に海老天ぷらの籠を乗せてしまい、「(汁椀の熱で)天ぷらがふやけてしまうぞ」と千鳥の大吾さんからツッコまれることに。バランス良く料理を取ることができず、赤面していた。

 一方、お笑いコンビ・ダイアンの津田篤宏さんは、置いてある他の皿を触ったり、取ったものを戻したり、小鉢に乗っていた料理を他の皿に移した後、その小鉢をブッフェ台に置きっぱなしにしたり、セイロのふたを戻さなかったりと、眉をひそめるような行為を連発。放送後、SNSでは「マナーが悪い」「他の人に迷惑」などと批判され炎上してしまった。

「今まで一度もバイキングを上手に取れたことがない」と大悟さんが嘆くように、きっと多くの人がブッフェでセンス良く取ることには自信がないのかもしれない。センスの良い「バイキングマスター」で審査員役の博多華丸さんは、「バイキングを入社試験に入れたほうがいい。人事部はそれも見るべき」と言い放った。

 ブッフェ・バイキング・食べ放題を上手に楽しむコツは何だろうか?