【つらい経験は宝物】理不尽な出来事を「飛躍のバネ」に変える思考法
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。

【精神科医が教える】「なんで私だけ…」悔しさを“最強の原動力”に変える方法Photo: Adobe Stock

理不尽な出来事は、飛躍の原動力になる

世の中には、理不尽で「なんてひどいことだ」と、絶望の淵に突き落とされるような出来事が起こることがあります。

しかし、よく考えてみると、そこまで嫌な思いをした時というのは、「なんとか対策をしなければ」「もうこんな思いは二度と嫌だ」という強い気持ちが生まれ、何かを大きく変えるチャンスにもなります。

社会を動かす「大事件」の力

これは社会全体においても言えることです。何か大きな事件やとんでもないことが起きると、「このようなことを二度と起こしてはならない」という世論が高まります。そして、これまでなかなか変わらなかった制度が大きく見直されたり、新しい法律が作られたり、対策が強化されたりします。

多くの人が薄々問題だと感じていたことが、事件をきっかけに一気に変わっていくのです。起きてしまった過去は変えられませんが、その出来事が自分に何を問いかけているのかを真剣に考えることで、現状を大きく好転させるチャンスに変えることができるのです。

私自身の体験:ライフスタイルを変えた「きっかけ」

あまり大きな声では言えませんが、私自身も似たような経験があります。10年ほど開業医をしていた時期に、何か違う人生を見出したいという思いもありましたが、直接のきっかけは、非常に理不尽で嫌な出来事でした。

一度目の理不尽な出来事があった時、私はなんとか踏ん張ろうとしました。しかし、また同じようなレベルの出来事が起きてしまったのです。その時、「ああ、これはもう心身が持たない」と感じました。

「なぜ自分がこんな思いをしなければならないのか」と考え抜いた末に、「そうだ、この環境自体から離れて、自分のライフスタイルを大きく変えるしかない」という結論に至りました。

その時の経験があまりにも辛かったからこそ、「絶対に大きく変わるぞ」という、強力な原動力になったのです。

嫌な出来事への「感謝」

結果的に今振り返ると、あのような嫌な事件を起こしてくれた人には、ある意味で「心から感謝している」とさえ思えます。

もしあの出来事がなければ、私はおそらく、何か悶々とした気持ちを抱えながらも、だらだらと日常を続けていたでしょう。自分を根底から変えるほどのエネルギーは、きっと湧いてこなかったに違いありません。

辛い経験を「バネ」にして飛び上がろう

ですから、もし今あなたが、とんでもない理不尽な出来事に遭遇しているとしても、ただその場で嘆いたり、悔やんだりして立ち止まっているのは、非常にもったいないことです。

そのような時こそ、「自分自身の何かを大きく変えなさい」というメッセージなのだと捉えてみてください。悔しいという感情は、何かを変えるための強いエネルギーになります。

辛い経験をバネに、自分を大きく変える

私自身、土壇場に強いと自覚しているのですが、それはおそらく、このような辛い経験をバネにして、自分を大きく変えてきたからだと思います。そして、この力はきっと、皆さんの中にもあるはずです。

煮え繰り返るような悔しい思いをしたのなら、それは高くジャンプするための強力なバネになります。せっかくそのような経験をしたのですから、そのバネを使って、どこかへ高く飛び上がってみましょう。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。