まさか…許せない原因は相手じゃなかった?“視点の入れ替え”だけで楽になるワケ
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で幸せを呼び込む言葉』(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。
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許せない感情の背景にあるもの
今日は「相手の行動が許せないとき、どう対処するか」についてお話しします。
相手の行動が許せないと感じるとき、多くの場合は自分の中に大きなストレスや疲労がたまっています。人は機嫌が悪いと、ふだんなら受け流せる些細なことにも強く反応してしまいます。
逆に、機嫌がよいときは同じ出来事でも「まあいいか」と捉えやすくなります。
視点を「相手」から「自分」へ
許せない気持ちになると、つい相手の言動ばかりに注目してしまいます。しかし、相手は自分がコントロールできない存在です。相手に意識を向け続けるほど、イライラは増し、結論も出にくくなります。
そこで発想を切り替え、「いま自分はどれくらい疲れているか」「ストレスがたまっていないか」と、自分の状態に焦点を当てることが大切です。
機嫌による反応の差の例
たとえば、好きな人への告白がうまくいった直後のご機嫌な状態では、ペットがうっかりソファに粗相しても「ダメだよ~」なんて穏やかに対応できます。ところが、仕事が立て込み疲れ切っているときには、同じ出来事にも強く腹が立ってしまいます。
これは自分に限らず、誰にでも起こる自然な反応です。機嫌がよいとき、人はやさしくなれる――この当たり前の事実を思い出しましょう。
まずは「自分の機嫌をとる」
相手を変えようとする前に、自分の余裕を回復させることが最優先です。手っ取り早いのは次の三つです。
❷おいしいものを食べる:血糖や栄養を補い、心身のエネルギーを戻す
❸眠る:質のよい睡眠で情動の過敏さを下げる
自分ならではの「ご機嫌回復リスト」を用意
さらには、人それぞれストレスの種類が違うため、複数の選択肢を用意しておくと効果的です。
❷没頭できる趣味:プラモデル、料理、園芸など「手を動かす系」は特に有効
❸読書・音楽:心を落ち着ける定番をいくつか決めておく
➍短い整え習慣:ストレッチ・瞑想・温かい飲み物など、すぐできるものがいい
その時々のストレスに合った対処法を選べるように、リストを更新しておくと飽きずに続けられます。
自分の内側のストレスに意識を向ける
相手の行動が許せないと感じるときは、たいてい自分の内側にストレスが蓄積しています。相手に意識を向けすぎず、まずは自分の機嫌を整える――この順番を意識するだけで、同じ出来事への受け止め方が大きく変わります。
「相手の行動が許せない=自分の余裕が減っているサイン」と捉え、休む・食べる・眠るを基本に、日頃から機嫌回復の選択肢を用意しておきましょう。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。








