最新最強のRは333psのスーパー4WD
圧倒的パフォーマンスと絶品フットワークに感動
注目は、セッティング変更により最高出力が13ps増の333ps(245kW)に向上するとともに、内外装や灯火類のデザインが新しくなったこと。その他、軽量な19インチアルミや専用のナパレザーシートを装備した新グレード、R Advanceが追加設定された。
メインの試乗コースは、有名なニュルブルクリンクの“カルーセル”やラグナセカの“コークスクリュー”を再現したコーナーのある全長約2.1kmのハンドリングトラック。GTIと乗り比べることもできた。
やはりRのパフォーマンスは圧倒的である。改良前と比べて、確実にパワフルになっているほか、足回りも引き締まり、全体的にスポーティなテイストが濃厚になっていた。
なお、GTIはRとはエンジン性能や駆動方式が異なるが、Rの下位というよりも、異なる個性を持つ別種の高性能モデルというニュアンスだった。いい意味でちょっとヤンチャな味わいがある。
両車では旋回性能を高めるためのアプローチが違う。どちらもXDS(電子制御ブレーキLSD)を搭載する点は共通だが、Rはリアデフに左右後輪のトルク配分を0~100%の間で調整が可能なR-Performanceトルクベクタリングを備えた4MOTIONが与えられ、シャシー全般を電子制御するVehicle Dynamic Managerが、XDSやDCCとともに4MOTIONを統合的にコントロール。旋回性能をより高いレベルに引き上げる。なるほどハンドリングは絶品だ。
一時期のRはアンダーステアが指摘されたものだが、最新版は回頭性が俊敏で、操舵したとおり正確に応答する。安定した姿勢のままオンザレール感覚でラインをトレースしていける。ディスプレイを見ると状況によって左右後輪のトルク配分を4MOTIONが巧みに制御していることがわかった。