「中間管理職の悩みが消えた」
「ハラスメントに配慮して働けるようになった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4500社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「数字に強くなれる」「仕組みで解決できる」という思考法を授ける本シリーズは、さまざまな企業・業界・個人から圧倒的な支持を集めている。この連載では、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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組織が腐る「前兆」
一見、和やかに見える会議。
発言も多く、参加者もそれなりに満足している。
しかしその裏で、組織の屋台骨が静かに腐っていくことがあります。
その兆候は、会議で交わされる「なんとなく」「その場の雰囲気で」という曖昧な判断に表れます。
判断があいまいになると、責任の所在がぼやける
「誰が何を決めたか」が不明瞭な会議では、行動も進捗も曖昧になります。
「あの話、結局どうなったっけ?」といった確認が増え、プロジェクトの輪郭がぼやけていきます。
その結果、後からトラブルが発生しても誰も責任を取らず、組織全体の信頼がじわじわと低下していくのです。
感覚ベースになると、数値での検証ができない
「なんとなく良さそう」「この案の方が気持ちいい」といった感覚ベースの判断は、後に数値での効果測定ができません。
つまり、施策の成否を客観的に評価できず、「成功の再現性」や「失敗の改善」ができない状態が続きます。
結果、場当たり的な意思決定が積み重なり、組織は徐々に方向感を失っていきます。
議論を避けた会議が、対立と分断を生む
「なんとなく」で決まる会議では、対立が表面化しません。
一見、平和に見えますが、それは単に本音を封じ込めているだけ。
議論すべきことを避けていると、やがて不満や疑念が水面下で溜まり、ある日、チームが分裂する引き金になります。
会議体の崩壊が、文化の崩壊につながる
会議は、組織の文化を映す鏡です。
会議の質が下がっていくと、メンバーの当事者意識や発言の質も下がっていきます。
「この組織にいても、何も変わらない」と感じる人が増えると、優秀な人材から離脱し、組織の衰退が始まります。
「なんとなく」をなくすには、決定と評価の構造を数値化せよ
すべての会議に「目的」「論点」「決定事項」「指標」を設ける。
たったそれだけで、「なんとなく」で決める空気は排除できます。
会議体の構造を変えることは、組織文化の改善に直結するのです。
(本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4500社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計174万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。










