これから伸びる注目の投資のテーマと
安値圏にある有望株はコレだ!
――量子コンピューティングのような未来の技術についてはどうお考えですか。
ベイカー 私たちは常に新しい技術の動向を追い、未公開のスタートアップとも対話して情報を集めています。ただし、量子コンピューティングのような初期段階の技術は、現時点では不確実性が大きすぎます。投資対象とするには「時期尚早」と判断しています。
歴史的な教訓として挙げたいのが、ワイヤレスデータの普及です。2000年代、誰もが「ワイヤレスは大きなテーマになる」と考えていました。しかし最終的な勝者は通信キャリアでも機器メーカーでも、ノキアのような携帯電話メーカーでもありませんでした。最大の価値を手にしたのは、プラットフォームを支配したアップルとグーグルだったのです。

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――ではAI以外で、注目している長期的な投資テーマはありますか。
ベイカー いくつかあります。ひとつは米国の住宅建設です。住宅市場はここ数年停滞してきましたが、需給バランスの観点から底を打ち、今後数年は回復局面に入ると見ています。
もうひとつはデジタル広告、特に“コネクテッドTV”の分野です。テレビがインターネットに接続されることで生まれる新しい広告市場は、非常に大きな可能性を秘めています。この分野では、テレビ配信プラットフォームの企業、ロクに注目しています(ロクについては写真キャプション参考)。ロクは膨大なユーザー基盤を強みに広告収益化を順調に進めており、長期的な成長ストーリーが期待できると考えています。

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――最後に、日本ではインデックスファンドが人気を集めています。その一方で、コストの高いアクティブファンドには「本当に必要なのか」という問いが投げかけられています。
ウィーバー まさにこのような大きな変革期だからこそ、アクティブ運用の真価が発揮されると考えています。インデックスファンドは市場全体に投資するため、その中にはAIによって構造的な逆風にさらされる企業も必然的に含まれてしまいます。
アクティブ運用の最大の強みは、勝者を選ぶだけでなく、“敗者を避ける”ことにあります。私たちは長期的な成長トレンドに乗る企業を選び抜くと同時に、時代に取り残される企業をポートフォリオから外すことができます。この選別こそが、手数料の差を超えて、長期的にインデックスを上回るリターンを生み出す源泉なのです。私たちの使命は、市場平均を追うことではなく、“次のマグニフィセント・セブン”を発掘することにあるのです。それこそが、インデックスを超える成果につながると考えています。
本記事は2025年9月24日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。