「最近は、円安が進んでいる」
「中国に遅れをとっている。そう言えば、GDPのランキングはさらに下がったというニュースも見た気がする」
「『失われた30年』という言葉はよく聞くな」
「日本からはイノベーションは生まれない」
「その一方で、最近は国のベンチャー支援は活発になっている」
「地方経済は苦戦している」

 書き出すことは粗くて構いません。どんどん書いていきます。

 最初のアウトプットはしょぼくていいのです。最初から立派なパワーポイントの資料なんてつくることはできません。

 資料をつくることは誰かのためですが、この作業は自分のためのメモです。

 思考力がある人は、いつも落書きをしているように思います。ただし、会社の中で触れる資料は完成版となりますので、その人がどのような思考でたどり着いたかが見えないものです。

 どんな立派な資料も、最初は粗い情報認識からはじまっています。すぐに分かる人なんていませんし、最初から分かっている人がいたら、それは「知っている人」です。

 とにかく気になる要素を書き出していきます。

 そのために、すぐに書き出せる環境を整えておくことが大切です。

ペンを使うからこそ
自分の感覚に正直になれる

 自分の認識を一番素直に表現できるのは、やっぱりペンです。スマホやパソコンで自分の思いを書き出すこともできますが、ペンの感覚を超えるものはないでしょう。

 古い人間だと思われるかもしれませんが、今もペンが使われ続けている理由は思考の伝達率が高いからです。

 最近はリモートワークが増えたことで、紙やホワイトボードに書き出す機会が減っていますが、私はお気に入りのペンとノートを買って書きたくなる環境を用意しています。

 研修で「とにかく書き出してください」と受講生の方々にお伝えすると、「事実と言えるか分からない自分の認識も書いていいのか」という質問をいただくことがあります。

「認識」とは、自分がどう思っているかです。