重要な要素を書き出せば
スッと頭に入っていく

「分かる」ための最初のステップが「情報認識」です。「情報認識」では、大量の情報からテーマに合った要素を抽出し、具体的な言葉で記述します。

「情報収集」という言葉のほうがよく耳にすると思いますが、いきなり情報は集めません。目の前にある情報を自分の頭で認識するという意味で「情報認識」と名づけています。

「情報認識」のプロセスは、これから考えていくための下準備と言えます。料理でも素材を準備してから、調理するように、考えるための素材をテーブルに準備していきます。これは、自分の思考を進めるための作業ですので、人に見せるためのものではありません。

 では、どのように進めたらよいのでしょうか?テーマに関する資料を読んで、重要と思われる要素を書き出してみましょう。

 書き出すことで、大量の情報そのままよりも分かってきます。要素が減るからです。

 世の中に存在する情報のすべては頭の中に入り切りません。要素をたくさん書き出したら、グルーピングをします。さらに、グループごとに名前をつけます。まとめることで、理解が進みます。

図表:情報認識とは情報認識とは、大量の情報から目的にあった要素を抽出し、具体的な言葉で記述すること(同書より転載) 拡大画像表示

資料づくりの一歩目も
情報の分解から始まる

 もしあなたが、「日本経済の成長のための提案をつくってほしい」と言われたとしましょう。

 ふつうは、そんな壮大なテーマの依頼をされても困ってしまいますが、まずは、今起きていることを書いてみましょう。知っていることはたくさんあるはずです。