入会金5500万円、年間費920万円。その生活実態は?

「会員制クラブの入会金は、37万5000ドル」とニコルソンさん。日本円にして5500万円と高額だ。

 そこにプラスして、年会費が毎年6万2000ドルかかる。日本円にして920万円だ。

 億単位の家をキャッシュで買う超富裕層にとっては、会員費はそれほど大きな金額ではないのかもしれないが……。

 ひとたびコハナイキのクラブ会員になれば、ゴルフ場、プライベートビーチ、レストラン、バー、ボーリング場、スパ、ジム、テニスコートなどのあらゆる施設がいつでも自由に使え、敷地内に住むひとびとと交流できる。

 実際に住んでいる人に取材を申し込むと、70代後半のサラ・クロウフォードさんと夫のボブさんが筆者の質問に書面で答えてくれた。 

そりゃ富裕層が殺到するワケだ…「入会金5500万円、年会費920万円」ハワイの会員制クラブの知られざる実態とは?ハワイ島の会員制コミュニティ「コハナイキ」の敷地内に2015年に別荘を購入した住民のサラさんとボブさんクロウフォード夫妻 写真提供:サラ&ボブ・クロウフォードさん

カリフォルニア州でエンジニアリング関係の会社を経営していたサラさんとボブさん。ふたりは仕事を引退する前からハワイ島に35年ほど通い詰め、トライアスロンに夢中になっていた。来る度にバケーションホームを賃貸で探していたため、ハワイに別荘を買うことは1度も考えたことはなかった。

「ある日、南カリフォルニアの雑誌に載っていた小さな広告を見て、コハナイキの存在を知り、訪ねてみることにした。敷地内の住宅に実際に2泊させてもらって、すぐに気に入った」

 だが、その時点ではまだ不動産を買う決断はしなかった。そのかわり“お試し制度”である「ハレ・クラブ」の存在を知る。不動産を購入せずに、コハナイキ内の別荘に年間45泊まで宿泊できる「特別な権利」を高額な会員費を出して買うシステムだ。

 このハレ・クラブ制度は、コハナイキのサイトを探しても書かれていない「インビテーション・オンリー」的な制度でもある。

 夫妻はひとまずこのハレ・クラブ会員となるが、6カ月後には年間45泊だけでは物足りなくなった。

「そこでついに2015年にコハナイキの敷地内にタウンハウスを買うことにした。当時、この物件の建物はまだ建設されておらず、更地の土地と設計図があるだけだった。でも思い切って即決して買った。結果、今、ものすごく満足している」

 購入金額は明かしてくれなかったが、10年前に購入したこともあり、現在の相場よりは格安で買えたはずだ。