
米国西海岸の企業の重役たちがコロナ禍に集まった
そのパラダイスで、5年前のコロナ禍には、クロウフォード夫妻を含む60人の住民が滞在して生活していた。各自がゴルフカートで行き来し、スタッフは除菌に懸命になり「非常に安全な生活だった」と夫妻は振り返る。
ブローカーでもある前出のニコルソンさんは、コハナイキに転職する前にもハワイの多くのラグジュアリー会員制コミュニティで不動産を販売してきた。
彼女によると「コロナ禍ではハワイ島の物件を実際に見ることなく、電話1本だけで購入する人たちがたくさんいた」というほど購入ブームだったそうだ。
コロナ禍でリモートワークが普及し、米国西海岸の企業の重役たちがハワイの別宅で仕事をしながら、家族と共に過ごす時間を確保するのがトレンドになった。
「いまは、コハナイキの敷地内の物件は1カ月に2~3軒のペースで売れている」
新たな購入希望者は、そもそもどんな方法でハワイの会員制クラブの不動産の存在を知るのだろうか?
広告やネットで知るのか?と聞くと、ニコルソンさんはこう言った。
「正直なところ、一番多いのが、すでに敷地内に不動産を持つ友人から聞いてうちの存在を知ったというケース。つまり口コミがほどんど。気心知れた友人同士で同じコミュニティ内にそれぞれセカンドハウスを買って、家族ぐるみで一緒にバケーションを過ごしたいから、仲間を誘い合う。そんな流れが一番多いと思う」
ハワイの美しい自然の中で鯨ウォッチングやダイビングを楽しみながら、一般観光客とは隔絶されたプライバシーを確保し、施設で働く職員からはファーストネームで呼ばれ、フレンドリーかつ丁重に扱われながら、親しい友人と付き合いつつ、新しい知り合いや友人を増やしていく――。
これが、富裕層が超高級ホテルよりも、ハワイ島の会員制クラブ内の不動産を好む理由のようだ。また、ハワイという土地柄、アウトドアスポーツ好きであればあるほど、払った会員費の元が取れるというメリットもありそうだ。
「特に、サーフィンやカヤックやダイビングやシュノーケリングは世代を超えて子供や孫と一緒にできるスポーツ。家族でも友人同士でもどんな年齢でも楽しめる」とプロ・ダイバー経験のあるハワイ出身のニコルソンさんは言う。

(サムネイル画像:gilaxia/gettyimages )