付属校でしか味わえない特別な体験とは

 大学付属校に入るメリットを改めて整理してみましょう。やりたいことが多様化している現在、付属校だからこそできることは数多く存在します。6年間でその子が学びたいこと、身につけたいことがあるなら、付属校という選択は十分に価値があります。

 特に目的意識がはっきりしており、それが他の進学校では得られないものであれば、なおさら付属校が適していると言えるでしょう。

 最も分かりやすい例が、運動部における付属大学生との練習や交流です。大学付属校の高校の練習には大学生がコーチとして来てくれます。慶應高校などが有名です。

 また、XX大学のユニフォームでラグビーをやりたい、野球をやりたい、XX大学と同じジャージーを着たいという子どもがいたとしたら、まさにその夢を叶えられるのが付属校ということになります。

 憧れの大学のユニフォームと同じものを着られるのは、想像以上に嬉しい体験でしょう。これは偏差値では決して測ることのできない価値です。このことについて、第三者が損得や時間の無駄だという議論をするのは完全にナンセンスだと思います。

 野球やサッカーでも「この高校のユニフォームを着たいから大阪桐蔭に行きたい」とか「浦和レッズのユニフォームを着たいから浦和レッズジュニアに入りたい」という動機が普通に存在するのと同じ理屈です。

 また、キャンパスが大学と中学高校で一緒になっている学校も多くあり、そのキャンパスの雰囲気を実際に味わいたいという子どもたちもたくさんいます。これは付属校でなければ絶対に味わえない特別な体験です。

 大学生と同じ空間で学び、同じ食堂で食事をし、同じ図書館で勉強する。こうした日常的な体験は、将来への憧れを育む貴重な機会となります。それは御三家などの進学校でも満たされない体験です。

 有名大学の図書館で本を読みたい、帰りにスターバックスで大学受験のプレッシャーを忘れてデートをしたい、そんな漠然とした憧れであっても構いません。他の学校では得られない目的がそこにあるなら、付属校は良い選択だと思います。