「一生懸命に考えたのに、思ったように伝わらない」「焦りと不安から自分でも何を話しているかわからなくなってしまう」…。言っていることは同じなのに、伝え方ひとつで「なんでこんなに差がつくんだろう」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
コンサルタントとして活躍し、ベストセラー著者でもある田中耕比古氏の著書『コンサルだけが知っている 伝え方のテンプレ』から、優秀なコンサルが実践する「誰にでもできるコミュニケーション術」を本記事で紹介します。

相手に伝わるように「型」をつかって話す
「頭がいい人の話は、わかりやすい」
「もっと頭がよかったら、ずっとわかりやすく話せたのに」
「難しい内容なのに、かしこい人が話すと、わかりやすいなぁ」
そんなふうに思ったことはありませんか?
しかし、本当に「頭がいいから、話がわかりやすい」のでしょうか?
そうではありません。
実は、「話がわかりやすいから、頭がいいと思われる」のです。
“話し方”は、物事を考える力の“見え方”を大きく左右します。
どれだけ優れたアイデアも、どれだけ正確な分析も、伝え方を間違えると評価されません。
逆に、平凡な内容でも、場合によっては間違った内容でさえも、伝え方がうまいと「なるほど」と納得され、高く評価されます。
伝える力が、考える能力そのものに見えてしまうのです。
話し上手は「型」を持っている
私は、戦略コンサルタント、そして経営者としてキャリアを築く中で、多くの「話し上手」と出会ってきました。
彼らに共通していたのは、情報の伝え方の「型」を持っているという点です。
コンサルタント、営業、弁護士、コメンテーターなど、言葉で人を動かす職業の人たちは、話の組み立てや論理構成、そして話の順番に関する高い技術を持っています。
これは、決して「センス」や「才能」ではありません。
伝え方の技術、具体的には「構造」と「順序」の技術です。
彼らのような話し上手が繰り出してくる、うまく伝わる話、スッと頭に入ってくる話には「型」があるのです。
(本記事は『コンサルだけが知っている 伝え方のテンプレ』の一部を抜粋・編集したものです)