面接担当者の中に
技術がわかる人を入れておくこと

 面接担当者で大体会社の雰囲気が分かりますが、面接では応募者をある程度詰める必要がある時もあります。それは相手の能力について、技術的な細かい話をする時です。圧迫面接というよりも、「これはどう?」「こうなった場合は?」といった形で一つ一つ技術的なことを細かく確認していくわけです。

 その際に面接担当者の中に技術が分かる人がいる必要がある。その人に技術的な話をワーッとさせて、それでどの程度正確に話せるか、ということは見ておいたほうがいい。やはり一番重視すべきは能力で、技術が分かる人を必ず面接に入れておくこと。印象や人柄だけで採用するのは危ない。

 というのも、教育する余裕がなく即戦力を求める場合、人柄はすごくいいけれど能力が足りない、というケースもマッチしないからです。やはり能力があるかないかが重要になります。

性格に難がある人は
能力にも難がある、納得の理由

 では逆に、「性格に難があって周囲とぶつかるけれど、能力はある」というケースはあるのか。

 そういう人は絶えず周囲とぶつかるので通常はまともな仕事を与えてもらえません。そうすると難関大学を出ていたり、資格は持っていたりしても経験は積めないから、能力は上がらないんです。

 だから「この資格を持っています」「有名企業にいました」「有名大学卒です」という売り込みで面接に来て、性格に難がある人は、能力にも難があるのはまず間違いありません。

仕事ができない人を見抜く
「たった1つの質問」とは?

 中途採用の面接で採用する側が注意しないといけないことは、ありがちなことですが、応募者が自分の能力を過大に誇張して話している場合です。

 でもこれもマルクスの『資本論』の中に答えがあります。「ここがロドスだ、ここで跳べ」という言葉で、それは何を意味しているかと言うと、「俺はロドス島の競技会で大跳躍をしたんだぞ」と吹聴する人に対して、「そうか。じゃあここで今、目の前でやってくれ」というわけです。つまり、能力があると言うなら、目の前で実演してもらえばいいわけです。

「私は非常に強いハッキングの能力がある」と言う応募者がいたら、「ではそこにあるコンピューターでうちの会社に侵入できますか」と目の前でやってもらえばいい。技術に精通している人がきちんと詰めていけば分かることなので、能力のところはシビアに判断することです。

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