横向きに寝たときでも、首から背骨までがなるべく一直線になるように保つためです。三角筋や上腕三頭筋を横に張り出さんと日夜努力するビルダーは、横向きになると通常の枕では頭を支える高さがまったく足りず、首が横にへし折れてしまい、到底横向きになって寝られないのです。これも悲しい物語であります。

 もし枕の高さが身体に合っていない場合、いびきや睡眠時無呼吸症候群(筋トレをしている方は首が太く、これらの症状を持つ場合があります)、そして頭痛、肩こりなどの症状が現れることがあります。このような問題がある場合はなおさら、枕を見直すことをおすすめします。

 枕の高さや形状を調整する方法として手軽に使えるのがバスタオルです。枕が低い場合は枕の下にタオルを敷いて高さを調整し、逆に枕が高すぎる場合は肩の下にタオルを敷くことで適切な角度をつけたり、隙間を埋めたりすることで微調整ができます。

 しかし、悪あがきせず専門店に行きましょう。タオルは出張時のテクニックとして使えばよろしい。タオルはズレますが、専門家の計測に基づいて綿を詰めてもらえば、ズレない枕の完成です。

 自分を回復させるためだけに存在する枕。お金も買いに行く時間も惜しむ必要など私はまったく感じません。パフォーマンスの高い自己投資です。

枕を選ぶ際のコツ

 そしてマットレス同様、一度買ったら特別な行動なしにそのままベッドに入るだけで睡眠の質が上がる優れもの。『ドラゴンボール』の悟空が「メディカルマシーン(治療カプセル)」に入るシーンを思い出してください。ボロボロになるまで追い込んで、あとは入るだけ。このイメージで1日を戦い抜き、そして疲労回復装置のベッドに入り、理想の身体を目指しましょう。

 また、素材も重要なポイントです。低反発素材は頭部を包み込むように支えてくれる一方で、低反発すぎても頭を支える高さが足りなくなり、横向きで寝にくい可能性があります。

 一方、高反発素材は通気性が良く、熱がこもりにくいメリットはあるかもしれませんが、首や肩の状態に柔軟に対応せず、負担がかかる可能性があります。