小林 自転車は歩道を走るのが当たり前と思わず、歩道を借りている。通らせてもらうといった認識が必要です。その一方で、自転車が安心安全に通行できる環境整備を、同時並行で進めていかなくてはいけません。その中でいくつかは(青切符導入までに)実現したのですが、まだその実現に至らないものもある。そういった意味で、来春の4月から「見切り発車」せざるを得ない部分もあるわけです。
佐藤 事故が一向に減らない現状を鑑みて、例えばスマホのながら運転の取り締まりなど、まずはやれるところからやっていく……ということですね。青切符導入までに実現できたことについて詳しく教えてください。
小林 車のドライバーに「自転車を尊重して走らなければならない」という規定が設けたことは画期的だったと考えています。
これまでの常識で運転すると
ドライバーにも反則金!?
小林 2000年頃から世界中で「自転車の脇を車で通り抜けるときには1.5メートル以上は離れよう」というキャンペーンが行われてきましたが、日本は先進国の中でこの動きが遅かった。今回法改正がされて、自転車の脇をギリギリすり抜ける車は、反則金や違反点数を取ることに変わりました(2026年4月1日施行 道路交通法の一部を改正する法律)。
佐藤 僕は6年前からウーバー配達員として働いていますが、自転車で車道の左側を走っているだけでクラクションを鳴らされたり、ギリギリのところを通り抜けてきたり……車から嫌がらせを受けたことが過去に何度もありました。
小林 今までは車が「道路の王様」といったイメージで、自転車などが車道を走っていると「邪魔だよ」みたいに扱われてましたが、ここが大きく変更されます。後ろを走っている車は(自転車の存在が)見えているわけですから、ブレーキを踏むなり距離を取るなり、弱い存在である自転車に遠慮(配慮・尊重)してくださいよと。