「ミーハーする」という学び行動は、こうした変化を前向きに捉え、柔軟に適応していくために欠かせない姿勢です。

 そこで有効なのは、「迷ったら、必ず、試す」と最初から決めてしまうことです。

 どれだけミーハーだと言われようとも、「新たなテクノロジーが出てきたときには、ひとまず必ず試してみる!」と決めておけば、もはや迷うことはありません。

現状維持バイアスを乗り越えて
価値のある学びを手に入れよう

 人は基本的に、「慣れ親しんだ方法を変えたくない」という心理を持っています。

 新しいテクノロジーを使いさえすれば、学びの効率を高めたり、幅を広げたりできるのに、ついつい「わざわざ変えなくても、これまでどおりでいいか……」「どうせ一過性の流行にすぎない。すぐ廃れるだろう」と考えてしまうのです。

「ミーハーする」という学び行動は、「現状維持バイアス」の対極にあるものだと言えます。

 こうしたスタンスを持つことで、変化を前向きに受け入れ、時代の流れに乗り遅れない学び方ができるようになります。

「ミーハーする」姿勢がないと、学びそのものの効率が高まりづらいだけでなく、それが仕事の成果につながりづらくなります。

 逆に、仕事のパフォーマンスが高い人ほど、迷うことなく新しいテクノロジーやトレンドに手を伸ばしているものです。

「ミーハーする」という学び行動は、現状維持バイアスを乗り越えて、自分の学びを進化させ続けるための戦略として、あえて取り入れるべき習慣なのです。

 一方で、たしかに新しいものに手を出すこと自体が目的化してしまうと、「次々と流行を追うだけでなにも身についていない……」「試したけれど、結局活用できなかった……」という状況に陥ることもあるでしょう。

 しかし、「ミーハーする」は、単なる「思考停止」や「トレンド追随」ではありません。

 大切なのは、「この新しいテクノロジーが、自分の生活や仕事にどんな可能性をもたらすのか?」という視点を持つことです。

 ミーハーに「どんどん試す」のは大切ですが、そこで立ち止まらずに、「なにをどう活かすか?」までを見極めて初めて、本当に価値のある学びが生まれるのです。