
オンライン授業などのサービスが広がり、大人の学びの形は多様化している。だが、「忙しくても学び続けるには何が必要か」という視点を持つ人はどれほどいるだろうか。大人の学びの第一人者・中原淳氏は、幸せと活躍を両立させる学びこそが望ましいと語る。理想を実現できる人に共通する行動パターンとは。※本稿は、中原淳ほか『学びをやめない生き方入門』(テオリア)の一部を抜粋・編集したものです。
働くと学ぶを両立させて
幸せを生む大人の学び方
大人の学びは「本人の幸せ」につながります。
どれほど意義がある学びでも、それが本人にとって苦痛であったり、心身の健康を害するものであったりすれば、長く続けることはできません。
本記事が求めているのは、一定の成果を出すためにある期間だけ我慢・努力する学び(受験勉強のようなもの)ではないのです。
もちろん、人生のある局面において、短期的に「我慢・努力する学び」が必要なときもあるでしょう。
しかし、人生100年のスパンで考えたときには、やはり「幸せにつながる学び」のあり方を模索したいものです。
他方で、私たちは「学んでいる本人がハッピーならなんでもOK」と言いたいわけでもありません。
学びを通じて本人が充実感を得るのはすばらしいことですが、それだけの学びは「自己満足」に陥ってしまうことも、よくあります。
仕事をそっちのけにして、自分の好きなことだけを徹底的に掘り下げるのも、一つの「生き方」ではありますが、だれもがそんな人生を歩むわけにはいかないでしょう。
むしろ、多くの人たちが本当に知りたいのは、「働きながら学び続けるには、どうすればいいのか?」であるはずです。
「学ぶ自分」を手に入れるために、「働く自分」を放棄するというのは、現実的な解決策だとは言えません。