この本は100万円以上の価値がある!」東証プライム上場社長で現役マーケッターである「北の達人コーポレーション」木下勝寿社長が絶賛。大きな話題となっている一冊の本がある。それが、コピーライティングの第一人者である神田昌典氏が25年の集大成『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』だ。スマホ時代に完全対応し、従来のコピーライティング書の常識を凌駕する本書のポイントを抜粋して紹介する。

ダイエットを考える男性Photo: Adobe Stock

現状維持バイアスとは?

 今回は、現状維持バイアスを紹介する。

 ここでいったん、「問題解決や理想実現に向けて、どの程度動く気持ちがある人」をターゲットにするのかを考える。

 現状維持バイアスは行動経済学で頻繁に出てくる用語で、ざっくりいうと、人は未知のものを避け、現状を維持したくなる傾向が強いということ。

 いいとわかっていても、人は変化につながる行動はなかなか起こさない。

 これはいいとわかっていても、行動しないだけでなく、やめなければと思っていても、なかなかやめられないケースも同じだ。

 一度契約したら同じ新聞を続けて購読したり、プロバイダの乗り換えでも、得だとわかりながらも手続きの面倒さから変えられなかったりする。

 特に、このようなサブスク(サブスクリプション=継続契約)型ビジネスモデルでは、乗り換えを促すのは心理的な抵抗が大きく、難しいものだ。

 モノを売るのは、問題解決であれ理想実現であれ、何かに対するソリューション(解決策)を売ることなので、現状からの変化を伴う。

 変化しないとソリューションとして機能しない

 ここが難しいところで、いいソリューションだ、いいオファーだとわかりながらも、顧客は変化につながる行動はそう簡単には起こさない

 そんな現状維持バイアスだが、人によって、あるいはそのときの状況によって、強い、弱いの程度がある。

 現状維持バイアスが「弱い」と現状へのこだわりが少ないので行動しやすくなるが、現状維持バイアスが「強い」と現状へのこだわりが強いのでなかなか行動を起こそうとしない。

現状維持バイアスの強弱の具体例

 現状維持バイアスの強弱を具体例で見てみよう。

 薄着になる夏に向け、スリムで筋肉質な体になって、女性にモテたいと考えている男性がいるとする。

 この人は、夏までの3か月間でなんとかやせて、スリムになりたいと考えている。この男性に、「3か月で効果的にやせる方法があります」と提案し、その方法で効果が出ている人がたくさんいるとわかれば、ちょっとやってみようかと思う確率は高い。この人は現状維持バイアスが弱く、熱心に解決策を探している状態だ。

 一方、同じメッセージを次の人に投げかけたらどうだろう?

 明らかにメタボ体型だが、本人は太っているとは思っていない。

 だからやせなきゃとはさらさら思っていない。

 この人に、「3か月で効果的にやせる方法があります」と提案しても「自分ごと」として認識されることなく、スルーされるだけだろう。

 現状維持バイアスが強い状態というのは、問題そのものの自覚がない状態だ。

 また、やせなきゃと思ってはいるが、積極的に自分から動く意志がなかったり、どうしたらいいかわからなかったりする人も、現状維持バイアスはやや弱めだ。

 一方、太っている自覚症状があり、やせたいと思っているが、なかなかアクションを起こせず、ラクで効果的な方法があればやってみたいが面倒ならいいやと思っている人は、現状維持バイアスがやや強めだ。

 次回、現状維持バイアスの強さを、強弱のグラデーションで表現してみたい。

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【9割の人が知らない! 第一人者の技術】現状維持バイアスとコピーライティングの関係

(本原稿は、神田昌典・衣田順一著『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』からの抜粋です)