元NHKアナウンサーで参院議員の牛田茉友元NHKアナウンサーで参院議員の牛田茉友 Photo:SANKEI

NHK大河ドラマ『べらぼう』の
脚本を担当した森下佳子

 関西で高級住宅地として知られる大阪府池田市。大阪教育大学附属高校池田校舎は1学年160人ほどのこぢんまりとした高校で、男女共学の中高一貫教育だ。

 活躍ぶりが目立つ2人のOGを、紹介しよう。

 NHKが2025年初めから放送している大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』。江戸時代の18世紀後半が舞台で、喜多川歌麿や東洲斎写楽らを見いだした江戸時代のメディア王・蔦屋重三郎の波欄万丈の生涯を描いたドラマだ。

 この作品で脚本を担当したのは、森下佳子だ。00年初めに脚本家としてデビュー、NHK朝ドラ(朝の連続テレビ小説)『ごちそうさん』の脚本を手がけ、第32回向田邦子賞を受賞した。17年には大河ドラマ『おんな城主 直虎』で脚本を引き受けた。『JIN-仁-』(TBS系列)をはじめ民放のドラマでも多くの作品に携わっている。今、最も脂が乗っている脚本家だ。

 森下は大阪教育大学附属高校池田校舎(以下、「池田校舎」と略す)を経て東京大文学部宗教学科卒だ。学生時代は演劇サークルで女優を経験、劇団を立ち上げ、演出・脚本を担当した。

 もう一人のOGは、世界の最先端を走る眼科医だ。理化学研究所多細胞システム形成研究センター(神戸市)の網膜再生医療研究開発プロジェクトのリーダーを務めた高橋政代だ。現在はスタートアップ企業のビジョンケア社長などを務めている。

 ゆがんで見えたりする目の難病、加齢黄斑変性の治療について、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を活用する臨床研究に、14年から世界で初めて着手した。英科学誌「ネイチャー」は同年12月、科学分野で話題を集めた「今年の10人」の1人に高橋を選んだ。19年には理化学研究所が他人由来のiPS細胞を使った治療を受けた5人の患者の移植細胞が定着してきたことを発表、24年に高橋は「実用化はもうすぐ」と述べた。

 高橋は京都大医学部に進学、京大病院助教授などを経て理化学研究所に移った。夫の高橋淳は大学の同級生(神戸市・私立灘高校卒)で、現京大iPS細胞研究所所長・教授(神経再生医学)だ。高橋淳はヒトのiPS細胞を使ったパーキンソン病治療の臨床研究などをしている。この分野で、やはり世界のトップランナーだ。