この調査では、年齢が上がるほどアンラーニングの実行率が低下しており、なかでもミドル層(35~59歳)は若手世代に比べてアンラーニングができていない(つまり、過去の学びに縛られてしまう)実態が見えてきました。
要するに、年齢が上がれば上がるほど、いまの時代に合わなくなった「昔のやり方」にしがみついてしまう傾向があるということです。
アンラーニングの成功は
逆境での「もうムリ…」から始まる
過去の成功体験や慣れ親しんだやり方に囚われた結果、「これまでのやり方で十分だ」「いまさら変える必要はない」という意識が強くなりがちなミドル層は、どうすればアンラーニングをうまく進められるのでしょうか?
そこでカギになるのが「限界認知経験」です。
これは、「これまでのやり方ではもう通用しない……!」と感じる経験のことであり、次のような例が考えられます。

・業務上の修羅場経験――顧客トラブル、大きな損失計上など
・越境的業務への挑戦――他組織との共同プロジェクト、副業・兼業など
・新プロジェクトへの参加――新ビジネスの立ち上げ、イノベーション推進など
同じ調査では、ミドル層のアンラーニングを促進するのは、こうした場面での限界認知経験だという分析結果が出ました。
これらの経験は、まさに「逆境」の機会そのものだと言えます。
基本的な仕事がひととおりできるようになったミドル層こそ、積極的にストレッチゾーン(背伸び空間)に乗り出す必要があります。
そうした逆境のなかで、「これまでのやり方が通用しない!」という事実を痛感することこそが、自分を“更新”するための最も確実な方法なのです。