ここでもう少し、具体的な選手起用の例を挙げてみましょう。
「守備重視」したオーダーで、試合終盤に代打を多用して逆転したとします。その場合、ここで守備固めをすると、守りについた選手はいきなり緊迫した場面からの出場になります。必ずしもそうではありませんが、スタメンで起用した選手より守備力が劣るでしょう。

特に中学のシニアや高校野球の公式戦では延長戦でタイブレーク制度(編集部注/9回を終了して同点の場合、10回から無死一二塁の状態で攻撃を開始する制度)が導入されています。
エラーひとつで勝ち負けが決まるケースが多くなります。そんな場面で守備力の劣る、いきなり出場した選手にミスが出やすいのも当然でしょう。
そんなリスクを軽減するためにも、スタメンは攻撃型のオーダーを組んだ方がよいと思います。NPBのファームでは、2025年からタイブレークが試験的に導入されています。それなら攻撃型のオーダーを組み、いざとなったときに守備のスペシャリストを入れる戦術の方が、得策ではないでしょうか。
それが「攻撃」を優先する方がいいという私の考えの理由です。