思考の「流砂」から
抜け出す方法とは?
思考を流砂に例えることもできます。私たちが自分の思考と格闘すればするほど、ネガティブな感情は増幅し、事態は悪化します。流砂も同じです。
もし私たちが流砂にはまったとしたら、抜け出す方法は流砂と格闘することではありません。私たちがパニックに陥って必死にもがけばもがくほど、流砂は私たちをいっそう強くつかんで、さらに速く奥へと引きずり込み、事態を悪化させるだけです。
流砂から抜け出す唯一の方法は、もがくのをやめて、身体の自然な浮力が働く状態にして、砂の表面に難なく戻れるようにすることです。自分の思考から抜け出す唯一の方法は、なすがままにして、私たちの生まれ持った内なる知恵が、私たちを普段の明快で安らかな状態へと導くように任せることです。
あなたがいつの間にか「考えている状態」と「考えていない状態」の間を揺れ動いていたとしても、それはまったく問題ではありません。ずっと何も考えない状態でいられるわけはありません。それを目標にしようとすれば、かえって自分を思考に引き戻して苦しむことになります。
私たちは物質的で有限の体験をしている霊的で無限の存在です。そのため、私たちは文字どおり人間と神との間にある「生きた門」であり、必然的に不安やストレスを感じる状態と、喜びと安らぎを感じる状態の間を行ったり来たりします。
考えている状態と考えていない状態の間を揺れ動くのを制御したり防いだりすることはできません。ですが、考える時間を最小限に抑えて、喜びや安らぎ、情熱、愛情をいっぱいに感じる瞬間をもっとつくり出すことはできます。
考え始めるのを制御できないというのは、避けられない運命に呪われているように思えるかもしれません。しかし、私たちはいつでも考えていない状態に戻れるので、心配はいりません。それは、人としての素晴らしい経験の一部なのです。







