思考にとらわれていることを
自覚するだけで自然な状態に戻る
何らかの瞬間にどんな思考を巡らせても、根底には常に、こうした純粋な安らぎや愛、充実感に満ちた状態があると自覚すれば、真の安らぎが得られます。私たちがいつも望んでいるその美しい状態は、決して失われることはなく、私たちがただ忘れているだけです。
しかし、忘れているからといって、そこに存在しないわけではありません。夜になり太陽が沈んでも、太陽が常にそこにあることを私たちは知っています。ただ見えていないだけです。
『考えすぎない練習』(ジョセフ・グエン著、矢島麻里子訳 ディスカヴァー携書、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
太陽が沈むときに、二度と戻ってこないかもしれないと考えたら、不安や恐ろしい考えが次々と浮かんできても無理はありません。同じことが私たちの存在状態にも当てはまります。
私たちには常に、明快さや安らぎ、愛、喜び、充実感という無限の泉があります。このことを思い出すにはほんの一瞬あればいいのです。
私たちはときどきそれを忘れますが、ネガティブな感情を抱いたときに、自分が思考にとらわれていることを自覚するだけで、自然な美しい状態に戻ることができます。
私たちに必要なのは、そのことを思い出し、これが自分の思考にすぎないことを自覚したうえで、太陽が永遠に消えたわけではなく、またすぐに昇ってくると認識して心を安らげることだけです。
それを理解しておけば、宇宙における夜の存在と役割について正しく評価できるようにもなります。またそれによって、夜が私たち人間の経験の一部として存在することに気づき、太陽と同じくらいその美しさを大切に思えるようになるでしょう。







