スマホ・テレビ・ゴシップ……日常生活の99%はムダだらけ。しかし、ムダを捨てるためにいくら効率を良くし、生産性を上げても、他人の期待に応えているだけで、自分のためになっているわけではない。「依存のプロ」GoogleとYouTube出身の著者が生み出した、自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」とは? 27言語で刊行され、世界で累計30万部を突破している『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』をもとに解説する。(構成/ダイヤモンド社・秋岡敬子)

これ以上疲れたくなかったら、真っ先にやめるべき習慣・ワースト1Photo: Adobe Stock

紅茶好きだと思っていたら、ただのカフェイン中毒だった件

 私は、朝起きたら必ず紅茶を飲むようにしている。

 これは高校生の頃からの習慣なので、なかなかやめることができない。

 そして、気づいたら私は「紅茶しか飲まないキャラ」になっていた。

 今では、「紅茶しか飲まないキャラ」としての自我とプレッシャーがあるので、友人とご飯に行ったときは、和食であってもメニューからアイスティーを探してしまう。

 いつしか、何を飲もうか迷うくらいなら、率先して紅茶を飲むという生活になっていた。

 仕事が捗らなくなったら紅茶を飲む。眠くなったら紅茶を飲む。夜のデザートのお供は絶対紅茶……。紅茶、絶対紅茶。

 しかし最近、紅茶を飲んでも効果なんて何も感じられないような気がしてきた。

 集中力が上がるわけでもないし、眠気が吹き飛ぶわけでもない。

 あれ、もしかして、私ってシンプルにカフェイン中毒なだけでは?

 そんなときに、「カフェインナップ」という単語を知った。

君は「カフェインナップ」を知っているか?

 グーグル出身のジェイク・ナップとユーチューブ出身のジョン・ゼラツキーが、多忙な毎日を乗りこなすための戦略をまとめた『とっぱらう』には、こう書いてある。

カフェインのしくみを逆手にとった、ちょっと複雑だが効果の高い方法が、カフェインナップだ。疲れを感じるまで待ってからカフェインをとり、15分仮眠する。起きたあとは頭がスッキリし、元気が回復し、準備万端になれる。
――『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』より

 つまり、私の場合であれば、疲れたときに紅茶を飲んで、15分寝る。

 たったこれだけで良いらしい。

「カフェインナップ」の効果は、科学的にも証明されている

 ただ、あまりにも簡単すぎる。

「カフェインをとって、15分寝るだけで集中力が上がる」なんて、にわかには信じがたい。

 迷惑メールのフォルダにきていた「Amazonプライム」の詐欺メールに引っかかって、カードを止めるハメになったことのある私でも、一瞬疑ってしまう。

 だが、カフェインナップの効果については、ちゃんとした研究結果があるらしい。

イギリス・ラフバラ大学は1997年に行った研究で、被験者の運転能力を運転シミュレーターでテストした。カフェインナップをとった被験者は、仮眠だけまたはカフェインだけをとった被験者よりもミスが少なかった。広島大学による2003年の研究では、仮眠だけをとり、目覚めた直後にまぶしい光を浴びせられた被験者よりも、カフェインナップをとった被験者のほうが記憶力テストでよい成績を上げた。
――『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』より

 よし、カフェインをとったあとは15分だけでも寝てみよう。

 カフェインをとっても、「仕事の進みが遅いままだ」「集中力が上がらない」と感じたら、「カフェインナップ」をとってみるのが良いかもしれない。

(本記事は、ジェイク・ナップ ジョン・ゼラツキー著『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』をもとに作成しました。)