記憶できる容量は
ほぼ無限大の「脳内辞書」
短期記憶で意味が決定された情報は、長期記憶に送られます。長期記憶は、短期記憶とは逆に、記憶できる容量はほぼ無限大です。また記憶を保持できる時間も、フランスの首都の名前をいつまでも覚えていられるように、ほぼ永遠です。
本記事では長期記憶を、分かりやすく「脳内辞書」と呼びます。
脳内関所で意味を確定された情報は脳内辞書に送られ、その意味に一致する項目に追加されるのです。本物の辞書では、1つの単語に「例文」がたくさん収録されています。同じように脳内辞書の1つの登録項目にも、同じ意味の情報(例文)がいっぱい収録されているのです。
脳内辞書は何種類もあると考えてください。「車の運転の仕方」「好きな歌の歌詞」「日本史の知識」「最近の経済動向」など大きなカテゴリー別にたくさんの脳内辞書があり、それぞれ「意味別」に項目が並んでいます。
脳内辞書には人生経験から得られた教訓が載っているものもあります。たとえば、「窮鼠、猫を噛む」とか「二兎を追う者は一兎をも得ず」のような項目が登録されている脳内辞書です。
「分かった!」の瞬間に
脳内辞書に登録される
新しい情報は脳内関所で審査され、同じ種類の脳内辞書に収められます。その瞬間に私たちは「分かった!」「そういう意味ね!」と思うのです。
つまり、「過去の記憶との一致」が「分かる」の重要な要素の1つなのです。自分にも経験のある話を聞くと、すぐに「そう、そう!あるある!」と理解でき、深く共感するのは、過去の体験との一致を強く感じるからです。
比喩で分かりやすくなるのも同じ理由です。体験している、あるいは知っている事柄にたとえることで、新しい情報をどの脳内辞書の、どの項目に収めるべきかを指示しているからです。脳内関所での辞書探しの手間が減る分、登録する瞬間、つまり「分かった!」の瞬間が早くやってくるのです。
反対に新しい情報を脳内関所で分析しても、脳内辞書に「同じ意味のグループ」を発見できない場合は、当然「分からない」ことになります。







