
トキ、ついに結納「寝床はどんどん狭くなる」
清光院だった。
「わたくし怪談が好きで」と告白する銀二郎。
「へんでございますよね」の「へ」の声が少しひっくり返ったのも初々しい。急な階段を上って息が切れたのかもしれない。
トキは気が合ってうれしくて、例の「血の跡」に連れていく。
「さみしいんでしょうね松風は」と理解を示す銀二郎。
「(怪談は)どの話もどこかさみしくて切ない」と傅(堤真一)と同じことを言う。
聞けば聞くほど共感しているようで、うれしそうなトキ。
「大好きでございます。大好きでございます」と怪談が好きと声を張り上げるが、まるで銀二郎に告白しているようにも見える。
と、そこへ風。思わず銀二郎にトキはしがみつく。まったく傅のときと同じことになっている。でも違うのは、慌てて離れたあとも、銀二郎のたもとをそっとつかんでいること。
なかなか良さそうな展開である。
こうして結婚が決まった。工場でデレるトキ。
家ではフミが「寝床はどんどん狭くなる」とトキの縁談が今度こそ成功すると信じてうれしそう。鯛の尾頭付きを奮発している。
赤ちゃんのときのトキのことを思い出すフミたち。ここが岡部たかしのインタビューで小日向文世の表情が印象的だったと語られた場面であろう。
このときのタエ(北川景子)の表情がなんだか微妙で気になる。
「あれから18年。おフミ、ごくろうであった」と勘右衛門がねぎらう。
牛乳で乾杯しようと司之介が差し出し、フミは泥棒してきたのかと疑うと、「盗人(ぬすっと)といえ盗人と」と悪びれない。この会話、大丈夫?
でも気にせず牛乳で乾杯すると白ひげが口元についてしまう。それを見たおトキが「私も私も」と牛乳を求め、家族そろって、白ひげに。4人で、洗い場の水をバシャバシャとかけあって、超楽しそう。
そして結納の日。トキの白無垢(しろむく)姿がまぶしい。
橋の向こうからやって来た銀二郎には髷がなかった。司之介に合わせたという。なんて親孝行。
たくさん町人のエキストラがいて、それぞれが思い思い晴れやかなトキの結納の儀式を祝いながら見ている。エキストラもひとりひとり、その場の感情を表現している。
紙吹雪が舞う。サワ(円井わん)は「おめでとう人柱〜」とはやし立てていた。
「ここまでよく育て上げましたね」と仲人っぽいタエ(北川景子)が言うと、フミは「ええ。おトキはわたしのムスメでございますけん」とほほ笑む。「もちろんです」とタエ。
そういえば、司之介の月代(さかやき)部分には髪が生えてきていて、いまが最もあやしい印象だ。
その頃、ヘブンはニューオーリンズの新聞社の文芸部で働いていた。日本に行く企画が上がり、同僚・イライザ(シャーロット・ケイト・フォックス)から「ふたりで行きませんか」と誘われる。
シャーロット・ケイト・フォックスは『マッサン』でウイスキー作りに励む夫を支えた妻エリーでおなじみの俳優だ。
ニューオーリンズ。第5回で、「天国」という駅が出てくる『欲望という名の電車』と『ばけばけ』の「天国町」とを重ねてレビューをした。前者の舞台はニューオーリンズ。「天国」とは、楽園を意味するエリージャン・フィールドという地名のこと(ソースは文学座のHP)。
ニューオーリンズはミシシッピ川のデルタに開けた街。そこに貧しい労働者たちが暮らしていて『欲望という名の電車』の物語の土台になっている。トキとヘブンは遠く離れていながら、似たような場所にいるといっていいのではないだろうか。出会うべくして出会う必然がドラマでは描かれているように思う。
「二人が出会うまで1875日」と再びテロップ。
いやいやな結婚ではなく、幸せそうな結婚。にもかかわらず、ヘブンとの出会いを示唆するのは少し残酷な気もするが。
「人生ってーー」と蛇(渡辺江里子)と蛙(木村美穂)が大はしゃぎ。
さて。朝ドラヒロインのOB、シャーロット・ケイト・フォックスからのコメントが届いた。ご紹介しよう。