記憶と理解を促す「3サイクル速習法」

 こうした記憶と理解のメカニズムを取り入れて設計されたのが「3サイクル速習法」です。

3サイクル速習法とは

 方法はいたってシンプルです。学習範囲をA、B、C、D……とブロックに分け、各ブロックを3回復習しながら進めていきます。

 具体的には、Aを学んだらすぐにAを復習します。その後Bを学び、終えたら再びAに戻ります。これでAを3回繰り返したことになります。同様にBを学んだらCへ進み、終了後にBを復習します。このサイクルを続けることで、スピードと記憶、そして理解を同時に高めることができるのです。

 この方法は、全体像の把握と繰り返しによる定着を同時に実現するものであり、限られた時間の中で最大効率の学習を可能にします。

終わりに

 3サイクル速習法は、忘却の特性やレミニセンス現象といった脳の働きを応用した、合理的かつ実践的な学習法です。記憶を強化し、理解を深める仕組みを備えたこの方法は、受験や資格試験など期限のある学習で特に威力を発揮します。

 本稿で紹介したのは、その概要にすぎません。具体的な手順や実践については、別の機会にあらためてご紹介しましょう。

(本原稿は、動画「50歳でも記憶力はアップ! 加齢に勝てる脳トレ法」の一部を要約したものです)