「欲しい、でも高すぎる…」フェラーリ新型「849テスタロッサ」が“おじさん心”を撃ち抜くワケ【写真多数】フェラーリ・849テスタロッサ ジャパンプレミアム Photo by Morohoshi Yoichi

フェラーリジャパンが新型車「849テスタロッサ」を発表しました。テスタロッサというネーミングは実に33年ぶりとなります。名車テスタロッサの歴史を振り返るとともに、新型を写真付きで解説します。【前後編の後編】(モータージャーナリスト/安全運転インストラクター 諸星陽一)

ついにフェラーリ「テスタロッサ」が
プラグインハイブリッドになった!

 2025年9月、フェラーリから新たなテスタロッサが登場しました。「849テスタロッサ」は従来のような12気筒エンジンを積んだピュアエンジンモデルではなく、4リットルのV8にモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド(PHEV)になったのです。

 そのエンジンはツインターボで、エンジンの単体出力は830馬力。そこに3基のモーターが組み合わされます。そのうち2基のモーターはフロントの車軸に取り付けられ、4WDとして作動するほかトルクベクタリング効果(左右輪で異なるトルクとなりスムーズなコーナリングを実現する作用)も発生させます。もう1基のモーターはリヤの車軸に取り付けられ、F1のMGU-K(モーター・ジェネレーター・ユニット・キネティック)と同様に加速、減速、回生などを担当しています。

 モーター3基の合計出力は220馬力あり、システム出力は1050馬力と「史上最強」のテスタロッサとなりました。エンジンサウンドはフェラーリのV8エンジンならではのハーモニーを生かしたもので、全回転域において増大しており、特に低・中回転域では濃厚でピュアなサウンドになるようにチューニングされています。

 エアロダイナミクスを追求したスタイリングは過去と現代のレーシングカーのソリューションをインスピレーションとしてデザインされていて、250km/hでのダウンフォースはSF90ストラダーレ比で約25kg増の415kgを発生。その一方で冷却性能は15%も向上しています。

 バッテリーのみで走れる距離は25kmと短め、最高速度は330km/h、0→100km/hは2.3秒と発表されています。さて価格です。ベルリネッタ(クーペ)は6465万円、スパイダー(オープン)が7027万円とフェラーリのなかでも別格の高価格となっています。

 次のページでは本稿で述べた最新のテスタロッサの撮りおろし写真を一挙公開します。前編『【33年ぶり復活】「塗料が余ってたから…」フェラーリ名車「テスタロッサ」の誕生秘話が衝撃すぎた!』ではテスタロッサの歴史を詳しく写真付きで振り返っていますので、合わせて読んでみてください。