社会的な「成功レール」の崩壊、どんどん不確実になる未来、SNSにあふれる他人の「キラキラ」…。そんな中で、自分の「やりたいこと」がわからず戸惑う人が、世代を問わず増えています。本連載は、『「やりたいこと」はなくてもいい。』(ダイヤモンド社刊)の著者・しずかみちこさんが、やりたいことを無理に探さなくても、日々が充実し、迷いがなくなり、自分らしい「道」が自然に見えてくる方法を、本書から編集・抜粋して紹介します。

「やりたいことがない」人が、自分を見つけるためのメモの習慣とは?自分の強みを見つけるときのメモの例。『「やりたいこと」はなくてもいい。』しずかみちこ著(ダイヤモンド社刊)より

「強みの種」を見つけるために記録する

自分の強みの種をみつけるためには、さまざまな経験をする中で起こる、「感情」「身体感覚」「違和感」「他者からのフィードバック」を注視し、その記録をつけていくことが大事だとお話しました。
その記録がたまってきたら、そこからパターンを探り、「強みの種」を特定していきます。

「ポジティブ」と「ネガティブ」に分けて分析する

まずは、記録を「ポジティブな感覚」になった場面と「ネガティブな感覚」になった場面に分けます。ポジティブな感覚の場面では強みが発揮されている可能性が高くネガティブな感覚の場面では強みが活かせていない可能性があります。

それらを自分で見直して、ポジティブやネガティブを引き起こす「キーワード」を探っていきます。

具体例で見ていきましょう。
まずは、冒頭のAさんの例です。
これをじっくり見てみると、どのようなパターンが浮かび上がるでしょうか。

Aさんの場合、「新しいアイデアを生み出すこと」や「誰かの役に立てること」が強みの種になりそうです。いずれにせよ、1人で黙々と何かをやるより、誰かと一緒に何かをやっているときに、ポジティブな感覚が生まれています。

また、すでに決まっていることをやることに対してつまらなさというネガティブな感覚が生まれがちなようです。こうした分析を続けていくと、ポジティブやネガティブを引き起こすキーワードが見えてきます。

Aさんにとって、「新しいこと」「自由な発想」「人と関わる」はポジティブなキーワード、「決まったことをやる」「孤独な作業」はネガティブなキーワードになりそうです。