入試問題との相性よりも、「学校選びの軸」がまず先

 これは説明されただけではイメージがつきにくいものです。だからこそ、実際に見てみることが大事なのです。

 そして、早いうちから「絶対共学」「絶対男子校、女子校」などと範囲を狭めてしまわないことも大切です。共学志向であれば、一度は別学を、別学志向ならば、一度は共学もぜひ見ておくことをお勧めします。

 仮に学校の雰囲気が気に入ったとしても、入試問題との相性なども考慮しなければならないと思われるかもしれません。しかし、受験本番の小6までは、まだそこまで心配する必要はありません。就職活動と同じで、一校だけではなく、複数の学校を受験するわけですから、「学校選びの軸」を決めることが重要です。

 まずは、縦の軸となる「どういう子育てをしたいのか」「どういう子になってほしいのか」「どういう学校に行ってほしいのか」という方針を親が決める必要があります。別学なのか共学なのかも軸ですし、自由な校風なのか、面倒見がよい校風なのかも軸です。中学受験において、ここが定まっていないと失敗する可能性が高くなります。

 偏差値や入試問題対策といったことは、その縦軸が決まったうえでの、小6の秋以降、横軸を決める段階の話なのです。まずは「何のために受験するのか」ということをしっかりと考えて、ご家族で話し合っていただきたいと思います。

【中学受験】“共学全盛”の時代に男子校・女子校が選ばれ続ける納得のワケ
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