『ばけばけ』第36回より 写真提供:NHK
日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月曜から金曜までチェックし感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年半続けてきた著者による「読んだらもっとドラマが見たくなる」連載です。本日は、第36回(2025年11月17日放送)の「ばけばけ」レビューです。(ライター 木俣 冬)
ブシムスメ、クビに?
「ブシムスメ」
木刀をもったトキ(高石あかり、「高」の表記は、正確には「はしごだか」)を見て、ヘブン先生(トミー・バストウ)は感慨無量。かと思ったら、そうは簡単にはいかなかった。
第8週「クビノ、カワ、イチマイ。」(演出:松岡一史)では、トキが「クビ」を言い渡されてしまう。
順を追って見ていこう。
木刀をもって出勤したトキ。木刀が長くてなかなか抜けなかったが、やっとこさ抜いて、「改めまして(よろしくお願いします)」とあいさつするが、ヘブンは機嫌がよろしくない。
どうやら洋妾疑惑を持たれたことを不快に思っているようだった。
朝食では、目玉焼きが焼きすぎとチェックが細かいうえ、魚の小骨が口に入って不快感をあらわにする。
「魚が久々で」と返すトキが悲しい。魚を食べる機会がないのだろう。海鮮といえばしじみなのだ。
そんなトキの事情を解すことなくヘブンは「ふざけんな」といら立つ。さらになぜか大嫌いな糸こんにゃくがあり「ジゴクジゴク」と大騒ぎ。糸こんにゃくは平太(生瀬勝久)のいやがらせであろうか。まったく余計なことをする。
気まずい空気のなか、錦織(吉沢亮)がやって来た。トキの木刀が護身のためだと、ヘブンに伝えてしまい、さらにヘブンの機嫌を害してしまう。梶谷(岩崎う大)と錦織、似たようなものである。というか余計なことをする人が多すぎる。
ヘブンは「あなたのせいで 下劣な人間と思われた」と錦織を責め、「やりにくい」とクレーム。
トキを「クビ」と言いだした。
錦織はよくて、トキはだめなのはなぜ?







