靴を収めるトレーがあると
「靴を揃える」ように
ADHDの子どもは、ワーキングメモリが弱く、玄関に靴をよく脱ぎっ放しにします。
靴を脱いだときには、たいてい次にやりたいことが頭にあり、そちらに気を取られています。
靴を揃えることに意識を向けられないのです。
靴を揃えるには、手順があります。
靴が横に倒れたり、左右が逆だったりしていてはダメです。左右の靴が平行に並び、両方の靴の先端が揃っている状態にしなくてはなりません。
そうした子どもが靴を揃えられるようになるためには、シューズ・トレーを玄関に用意しましょう。
子どもには、「この箱のなかに靴を置こうね」と言ってください。
さらに、トレーの底に、靴を入れた状態の写真を貼っておくといいでしょう。
トレーや靴を収める箱があると、視覚的な支援効果により、「靴を揃える」ということがパッと頭に入りやすいのです。
また、そこに置くだけで、靴が勝手に揃います。余計な手順が省け、簡単になるのです。
これを繰り返せば、シューズ・トレーがなくなっても、靴を自然に揃えられるようになっていきます。
可能ならば、学校の下駄箱にもシューズ・トレーを入れておくと、さらに効果的です。
靴の揃え方を教わっても、脱いで、並べて、揃えて……と、その細かい手順を聞くだけで嫌になる子どももいるでしょう。
