もしもわが子が友だちの物を盗んでしまったら、親は大げさすぎるくらいに謝るべき深い理由写真はイメージです Photo:PIXTA

相手が軽く触れただけなのに、過剰に反応して暴力を振るってしまったら。友だちの持ち物が欲しくなって盗んでしまったら。そんな場合、親はどうやって子どもに善悪の判断を教えたら良いのか。3000人以上の子どもたちを支援してきた発達支援コンサルタントが、本当に効果のあった具体的なノウハウをわかりやすく紹介する。※本稿は、小嶋悠紀『発達障害・グレーゾーンの子どもを伸ばす大人、ダメにする大人 家庭生活編』(徳間書店)の一部を抜粋・編集したものです。

「何かをされたら、やり返せ」
と教えるのは絶対ダメ

 ASDでは、小さな刺激に対して過剰に反応する「易刺激性(いしげきせい)」という特性がある子どももいます。

 例えば、ケンカなどで軽くたたかれた刺激に対して、たたき返すという大きな刺激で反応します。

 あるいは、相手は悪気なく触れただけなのに、過剰に反応して、かみつく、手をだす、蹴るといった暴力を相手にふるってしまうこともあります。

 もし大人が、「何かをされたら、やり返せ」と教えていると、それが正義だと誤学習し、暴力行為が定着します。

 絶対にこのように教えてはいけません。

 友だちをたたいてしまった場合には、「どうしたらたたかずに済んだかな?」と子どもと一緒に考えましょう。

 そのうえで、友だちからたたかれたら、「近くの大人に助けを求める」とか、「『やめて』と言って逃げる」とか、相手をたたく以外の具体的な方法を教えてあげてください。