歴史は勝者が書くものかもしれない。しかし、米実業家イーロン・マスク氏はしばしば、敗者がウィキペディアの項目を執筆していると不満を漏らしてきた。今、米国の保守派がその現状を変えようとしている。米メディア大手よりも多くの閲覧者数がいるこの地味なウェブサイトに焦点が当てられ、保守派からの圧力を受ける最新の標的となっている。常時オンラインではない人々にとって、ウィキペディアを巡る先週の騒動は衝撃的だった。同サイトが信頼性を保つという目標を掲げていることを考えると、なおさらだ。多くの人にとって、ウィキペディアは現代の百科事典である。ボランティアによって書かれ編集される同サイトは、共同創設者のジミー・ウェールズ氏がかつて述べたように、「人類の全知識の総和」への無料アクセスの提供を目指している。