2017年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの魔法』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの魔法Photo: Adobe Stock

「ありがとう」を言う回数と、奇跡のレベルは比例する

 ある地域での、私のはじめての講演会に200人もの人が集まってくださったことがあります。

 はじめての地域での講演会の場合、参加者はさほど多くなく、数十人程度が普通ですから、200人は異例でした。そこで会の幹事さんにうかがいました。

「どうして、こんなにたくさんの人が集まってくださったのですか?」

 理由はこういうものでした。その地域には、私の講演テープを聴いてくださった方がたくさんいらしたのですが、その中のおひとりが、「『ありがとう』を言い続けた結果、奇跡的な体験をした」ようなのです。

 その人は74歳の男性で、目の病気をお持ちでした。

 医師からは、「すぐに手術が必要で、手術をしなければ、このまま目が見えなくなる危険性がある。しかし、手術をしたからといって、完治するかどうかはわからない」と言われていたそうです。

 手術をするかしないか、この男性はつらい選択を迫られました。そしてその方が選択したのは、「第3の選択」だったのです。

「ありがとう」を言い続ける、という選択です。

 自分は仕事もしていないし、時間もあるからと、朝9時から夕方5時まで、「仕事」として「ありがとう」を言い続けたと言います。

 朝9時から正午まで3時間言い続け、お昼休みを1時間取り、午後1時から夕方5時まで4時間、「ありがとう」を言い続ける。1日7時間、「ありがとう」を言い続けたそうです。

 半年間ぐらい「ありがとう」を言い続け、その回数は「130万回」に及びました。130万回、言い終わって、再び医師の診断を受けたところ、「病気の進行が止まっていて、視力は衰えていない」ことがわかったそうです。

 そして「手術をしないで様子を見る」ことになったとのことです。

 この男性の話を伝え聞いた人たちは、こぞって「ありがとう」を言いはじめたそうです。そしてその地域には「ありがとう実践会」という集まりができました。

 私の講演会に参加してくださった200人は、この「ありがとう実践会」の方々が中心です。

 今までも、「ありがとう」を「2万5000回言った」「5万回言った」「10万回言った」という人はたくさんいらっしゃいましたが、「ありがとう実践会」の方々は、「私は60万回言った」「あと3日あれば100万回になる」と言うので、その回数の多さに私は大変驚きました。

 何度も実証を重ねた結果、客観的な事実として、「ありがとう」という言葉は、すごい力を持っているらしい……ということがわかりました。

「ありがとう」の語源は、「有り難し」。神や仏が「あり得ないこと」を起こしてくれたときに、神・仏を賞賛する言葉として、「有り難し」「有り難い」という言葉が存在したそうです。

 室町時代以前は、人に対して使われることがなく、「神・仏をたたえる言葉」だったそうです。

 現在の私たちは、人に対して「ありがとう」を使っていますが、下界から「ありがとう」が聞こえてくると、神様は、その人の「ありがとう」の回数を、自分への賞賛として、カチカチと、カウントしているようです。

 まだはっきりした方程式はつかめていないのですが、どうやら「ありがとう」の回数が、2万5000回~5万回になったあたりで、奇跡が起こる段階の「第1モード」が来るらしい。10万回を超えたあたりで「第2モード」が来るらしい。

 50万回あたりで「第3モード」に入り、100万回を超えたあたりで「第4モード」に入り、1000万回を超えたあたりで「第5モード」に入り、1億回を超えた時点で「第6モード」に入るらしいのです。

 細かい数字の差はあるでしょうが、「桁が違ってくると、違う世界に入るらしい」「神様は、その人が口にした『ありがとう』の数を、カチカチと、カウントしていて、新しいモードに入った時点で新しい奇跡を起こしてくれるらしい」という「実例」を、たくさん見てきました。

「ありがとう実践会」の中に、「ガン」に罹患している人がいたそうです。

 20人くらいの仲間がその人を囲み、朝から晩までひたすら「ありがとう」を言い続けたところ、その後、しばらくして「その人のガン細胞がなくなった」という話を聞きました。

 すべての人にこの方程式が当てはまるとは保証できませんが、どうも「ありがとう」という言葉には、ものすごい力があるようなのです。