2017年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの魔法』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

「気」や「念」は、人の体に入るものに強く効果を示すらしい
香川県のフィットネスクラブで講演をすることになった際に、「念」についての話をしました。「念」という漢字を分解すると、「今」と「心」に分かれます。
私たちは、過ぎてしまって取り戻すことができない現象にクヨクヨし、まだ来てもいない未来に対して取り越し苦労をします。
けれど、もっとも大事なのは「今」です。
「今」、自分の目の前に存在するひとつひとつ、一人ひとりを大事にするのが「今」の「心」、すなわち「念を入れる」ということのようです。
香川県でそんな話をした2ヵ月後、私のもとに1通の手紙が届きました。正確に書き記すことはできませんが、おおよそ、次のような趣旨でした。
「結婚して数年経つが、夫の両親と意見や価値観が合わないと感じていました。そんなとき、『念』についての話を聞きました。
そこで、夕食をつくるときに、『念』を入れてみることにしました。『このご飯を食べる人が健康で元気で幸せになりますように。やさしい笑顔になりますように』と、『念』を込めながら料理をつくりました。
食事を終え、食器を洗っていると、ポンポンと肩を叩かれました。振り返ると姑でした。怒られるのではないかと身構えると、『今日の夕食、おいしかったわよ』という言葉が耳に届きました。今までは一度も『おいしかった』と言われたことはなかったのです。その日を境に、3人の関係は信じられないほど好転しました。夫の両親のことを私は誤解していたのかもしれない。私が抱いていた『なんとなく嫌だ』『気が合わない』という気持ちが溝をつくっていたのかもしれないと思うようになりました。『念を入れる』という実験は、信じられないほどの結果を示しました。『念』や『気』の存在を確信すると同時に、今まで気を入れずに料理をしてきた自分を反省しました」
「『気』なんて気のせいだ」「『気』なんて精神論だ」と言う人もいるでしょうが、今ここで、「気」の存在を「科学的」に「あるか、ないか」論じるつもりはありません。
注目したいのは、「好ましい人間関係」でなかったものが、「気」あるいは「念」を入れたことで(そういう気持ちで料理をつくったことで)、好ましい状態に変わったという「実例があった」ということです。
「気」があるか、ないかを証明することよりも、「こうすると、こうなるようだ」という「方程式」を発見できたことのほうが重要だと思います。
26年間アトピーで悩んでいた女性は、半年前からお茶を飲む前に、「私の細胞を正常にしてくださって、ありがとうございます」と声を出すようにしたそうです。
すると2週間で湿疹が消え、1ヵ月で治ったと聞きました。ありとあらゆる治療をして、それでも治らなかったアトピーが、飲みものを飲むときに「お礼(感謝)」の気持ちを込めるようにした結果、治ったというのです。
「気」や「念」はどうも存在するらしい。しかも、「気」や「念」は、「人の体に入るもの」(食べもの、飲みもの)に対して強く、顕著に効果を示すらしいのです。
すべてが「気」や「念」で解決するわけではないでしょうが、やったことがないのであれば、実験してみると、とても楽しい結果が待っているかもしれません。