京都は外国人だらけなのに
消費単価ランキングだと14位の衝撃

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1位が東京都(15.3万円)、2位が北海道(14.9万円)、3位が沖縄県(13.0万円)、4位が福岡県(9.6万円)、5位が大阪府(9.1万円)であるのに対して、京都府は14位、消費単価は約5万円と著しく低い。
外国人訪問者数だと京都府は974.5万人で、都道府県別ランキング4位であるにもかかわらずだ。つまり、京都に外国人はたくさん来るが、現地におカネを落としていない。一方で、消費単価ランキング上位は、宿泊を伴う地であることは想像に容易い。
京都には芸妓遊びができる茶屋や一流の日本料理店、老舗のバーなど夜でも楽しめる客単価の高い店は多い。しかし外国人は宿泊しないとなれば、それらの店を利用しておカネを落としてくれる機会も減る。おカネを落とさず、むしろ混雑によるデメリットしか生まない人たちと見られてしまっている原因は、ここにありそうだ。
京都市内の観光名所を日帰りで一気に回ろうとする人が、混雑を生んでいるとも言える。人気スポット7カ所(清水寺、二条城、祇園、金閣寺、伏見稲荷大社、嵐山と京都駅)は平均距離が6.5kmも離れている。徒歩では周れず、公共交通機関やタクシーによる移動が必須となる。これが、混雑を生む。
さらにいうと抜け道の少ない碁盤上の道路構造や、公共交通がバスに依存している事情もある。鉄道にも人が押し寄せている。とにかく、移動需要に対して供給が全く追い付いていない。
オーバーツーリズム対策として、宿泊税の導入や拝観料の値上げ、神社仏閣の入場規制などがしばしば議論されている。しかしこれらの課題は、日帰り客が多く単価が安い、観光スポットが分散しているのに移動インフラが貧弱という問題の根幹を解決するとは言い難い。
少しでも外国人の人数や時間帯を分散し、混雑緩和を図り、もっとおカネを落としてもらうにはどうしたらいいのか。改善策について筆者なりに考えたものを述べよう。