『サイエンス』の結果同様、おそらく日本人も加齢に伴いタウリンの合成能力自体は低下する可能性があります。

 ただ、日本人は昔から欧米人に比べ魚など海産物をたくさん食べる食生活を送ってきた。タウリンは海産物に多く含まれますから、日本人は加齢に伴って低下したタウリンの合成能力を外部からの摂取で補ってきたのではないかと考えられます。

 つまり魚を多く使う「和食」文化がある日本では医薬品である「合成タウリン」を手に入れるまでもなく、食事によって十分タウリンを補うことができるのです。

 実際、世界25カ国で30年以上にわたり実施された国際疫学研究では、日本をはじめとする食事からのタウリン摂取量が多い地域で心筋梗塞など循環器疾患による死亡率が低いことが証明されています。