災害時に本当に役立つ
「備えておくべきもの」とは

 じつは災害の備えには状況によって4つの段階があり、それぞれ役割が異なります。

 まずは、平時から持ち歩く「0次」の防災ポーチ。外出中に被災したとき、安全に自宅や避難場所へ移動する際に必要となるものを入れておきます。

 次に、避難場所へ一時避難するときなど、緊急時にすぐに持ち出せるように用意しておくのが「防災リュック」。これが「1次」の備えで、当面の命をつなぐ必要最小限のものをまとめ、基本的に1人1つ用意をします。

 そして、身の安全がとりあえず確認でき、支援物資が届くまでの生活をつなぐのが「2次」、長引く被災生活を少しでも快適に過ごすための備えが「3次」となります。

「準備した防災リュックが役立たなかった」「避難所には十分な備えがあると思っていた」という声もあります。命を守るため、被災生活を快適に過ごすためにも、必要なものをしっかり準備しましょう。

避難所でペットと離れ離れにならないために、防災リュックに入れておくべきもの同書より転載

子どもの防災リュックは
使い方を教えながら準備を

 防災リュックは、子ども用も準備を。乳幼児なら普段使っているオムツやミルクセット、授乳ケープを入れた「マザーズバッグ」に、水を追加して避難することを想定すればOK。赤ちゃん専用のリュックを用意してもよいのですが、成長が早く中身の入れ替えが頻繁に必要なため、負担にならない程度に。
 
 1人でリュックが背負えるようになったら、最低限の水とお菓子、おもちゃなどを入れた専用リュックをつくりましょう。このとき、親が用意するのではなく、本人に中身を考えてもらうことが重要です。防災ホイッスルや非常用トイレを親が入れても、子どもが使い方を知らなければ意味がありません。どんなときに・どう使うのかを話しながら準備することで、防災リュックづくり自体が避難訓練にもなります。

避難所でペットと離れ離れにならないために、防災リュックに入れておくべきもの同書より転載