被害者は広域連合以外にも?
昨年9月には死亡を偽装か

 医師の特権を悪用した、医療制度への信頼を失墜させる言語道断の事件だが、取材で小西医師の被害者は広域連合だけではないことがわかった。小西医師は知り合いの伝手などをつかってほうぼうからカネを借りて返さず、もっともらしい理由をつけて逃げ回ってきた。そして、最終的に昨年9月、小西医師は自らを死んだことにしていた。

 筆者はこのほど小西医師の戸籍謄本を撮影した画像を確認した。それによれば、小西医師は令和6(2024)年9月21日午前6時25分に死亡したとたしかに記載されている。死亡地については東京都渋谷区、届出日は3日後の9月24日、届出人として記載されているのは小西医師の妻である。これはいったいどういうことなのか?

 小西医師と親しく付き合い、架空の診療報酬債権をつかまされるなどして1億円近いカネをだまし取られたという都内の会社経営者に話を聞いた。この経営者は、小西医師が本当は死んでいないことは知っていたという。今年2月1日にLINEでやり取りしており、その画像も見せてくれた。小西医師のアカウントは「U-TARO」(悠太郎)でカネを返せていないことを詫びる文面だ。